第323話【骸骨】

公安の会議室に集められるC2号部隊の中心メンバー

獅子堂、 森永、 内閣情報調査室の一ノ瀬 例歩。


「それでは戝部が使用したC2システムレコーダー記録をこれより再生します」


一ノ瀬が仕切る。

今回の一件は国外に情報を持ち出そうとしたので公安だけの問題では無くなっているのだ。

C2システムのレコーダー記録が再生されプロジェクターに映し出される。


映し出された映像は燃え盛るヘリコプターの中。

そしてその後にに映し出されたのは外の映像、 ヘリコプターの中から飛び出した様だ。

その後、 燃え盛るヘリコプターが墜落する映像が流れる。


「何だこれ? ヘリコプターが墜落して燃えたんじゃなくて

燃えたからヘリコプターが墜落した・・・のか?」


小野塚が不審そうに声を上げる。


『急に何なんだ今の火球は!!』


戝部が怒声を発する。


「火球?」

「何の事だ?」


困惑する公安一同。

映し出される映像では背後から飛んで来た火の球が映る。


「何だ今のは!?」


驚く左近寺。

映像では戝部が振り返った。

振り返った先に居たのは


『怪人・・・か?』

「怪人なのか?」

「怪人なのコレ?」

「怪人・・・?」

「怪人じゃないだろ・・・」

「いやこれは怪人・・・」

「怪人・・・」

「・・・・・」


困惑する戝部と一同。

そこに居たのは頭から角が生えた骸骨の様な姿をした存在だった。

今までの怪人達とは明らかに違うその姿に誰もが言葉を失った。


『怪人か!?』


その声には答えず腕を此方に向ける骸骨。

指先からは火が灯り、 火の球になり、 その火の球が向かって来た。

C2システムの機動力を生かして火の球を回避する戝部。


『喰らえ!!』


思い切り骸骨を殴る戝部。

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! と激しい音が鳴り響く。


『嘘だ・・・』

「・・・何だと?」

「馬鹿な!!」

「あり得ない!!」

「何という事だ!!」

「信じられない・・・!!」

「・・・・・」

「こんな事が・・・」


C2システムの拳が当たっているのにも関わらずまるでダメージになっていない骸骨。

骸骨はその後、 無造作に戝部を押し倒し数十の火の球を戝部に打ち込んだ。


『うぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』


戝部の断末魔の叫びでレコーダーの記録は終了していた。

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