第306話【西京突入!!】

準備を整えたTDTの一行は西京へ向かった。


「ここが西京か・・・」


西京駅を降りるとロケットランチャーが飛び交い、 ビルが爆破され

機関銃の銃声が鳴り響くまさに魔境だった。


「じゃあ小林さん、 まずはゼロ(公安の協力者)の所に行きましょうか」

「そうだな、 待ち合わせの店に向かうか」

「えぇ・・・」


ゼロの経営するフグ料亭に向かった一行。

フグに舌鼓を打っていると一行の居る部屋にゼロがやって来た。


「こんいちは、 私が情報提供者の木天蓼と言います、 よろしくお願いします」

「よろしくお願いします、 もぐもぐ」

「小林さん、 食べる手を止めて下さいよ」

「食べながらで結構ですよ、 ウチのフグは天下一品でしょう」

「いや、 本当にですよ、 やはり関西は美味しい物有りますね」

「そうでしょうそうでしょう」

「しかし治安が悪いとは聞いていましたが、 悪過ぎませんか?」

「それなんですが、 今妙な事になってましてね」

「妙?」


木天蓼の話を要約するとこうである。

西京蝶蛾組、 二代目蝶蛾組、 三代目蝶蛾組の抗争はここまで激しく無かったらしい

所が数日前に突如現れた第四勢力、 大獅子維新会が抗争に参戦。

一気に抗争が過熱し、 まさに魔境の様な有様を呈しているという。


「なるほど・・・しかし武装が充実し過ぎていますね」

「ロケットランチャーやら機関銃やらは全て大獅子維新会が流している物です」

「え? 敵である蝶蛾組にも武器を?」

「えぇ、 大獅子維新会の目的は金、 抗争に参加して抗争をかき乱し

武器をより多く売るのが目的です」

「確かに公安にもマークされていたな・・・

時折現れて抗争をかき乱す謎の暴力団・・・実態は武器商人か」

「他にも傭兵なんかも派遣している様です」

「癒し屋について、 何か分かっている事は無いんですか?」


美亜が尋ねる。


「癒し屋、 と言うのは分かりませんが癒しの聖女と呼ばれる人物が居ます

人々をあっという間に治療出来ると人気の町医者ですね」

「その人は今何処に?」

「その人は西京、 いやこの国唯一のスラム街りんりん地区です」

「りんりん地区・・・」


真剣な顔で呟く美亜。


「如何やらヤバい所に足を踏み込むらしいですね、 小林さん」

「もぐもぐ」

「小林さん!! もっと緊張感を持って下さい!!」


草佐々の怒号が響いた。

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