第301話【演習】

南国の駐屯軍とC2号部隊の合同演習は滞りなく進んだ。

合同演習の様子をジョージと共に見る滝。


「演習について如何思うかね?」


ジョージに尋ねられる滝。


「集団行軍の事は良く分からないが集団戦において対怪人のセオリーは守られている

戝部達の指導の賜物だな、 よく訓練されていると思いますよ」

「我々駐屯軍も中々でしょう?」

「そうですね、 怪人との戦いを意識した戦い方だと思いますよ」

「そうでしょうそうでしょう」

「ただ・・・」

「ただ?」

「C2システムを使った演習をしないのが少し拍子抜けですね

以前テレビ番組でも実際に使って見せたので今回の演習でも出て来ると思ったのですが

何故今回は使わないのかが疑問です」

「あぁ、 それは仕方ありませんよ」

「何故?」

「我々駐屯軍はC2システムを所有していないのですから

無い物は使えない、 これは当然です」

「なるほど・・・実際C2システムはそちら側ではどの様な評判になっていますか?」

「どの様な、 とは?」

「国家的に考えてC2システムは好意的に見られているのですか?」

「何を言っているんですか、 好意的に見られない訳が無いじゃないですか

怪人を効率良く倒せるんですよ? 好意的に見られない訳が無いじゃないですか」

「そうなんですか、 戦争への転用が出来るので

問題視されているのではないかと思っていたのですが・・・」

「ははは、 何を言っているのですか

要はパワードスーツでしょう? パワードスーツの研究は我々もしているのですよ」

「そうなのですか?」

「えぇ、 3年以内には我々もC2システムと同様のシステムを作り上げますよ」

「おぉー、 それは凄い」

「技術大国のこの国だけが技術に優れている訳じゃないんですよ、 ははは」


ジョージが笑う。


「ぃれいかん、 よろぃいでぃょうか?」

「マルォ、 如何した?」

「例の方がお待ちでぅ」

「分かった、 滝さん、 今回は有難うございました

また何か有ったらよろしくお願いします」


ジョージが手を差し出す、 それを掴み握手する滝。


「いえいえ、 国に協力するのは当然の事ですよ、 またよろしくお願いします」

「それでは失礼します」


ジョージとマルォが去って行った。


「・・・・・何かきな臭いな」


滝はその後をこっそり付いて行ったのだった。

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