第256話【戦争】

「魚目さんは戦争の時、 如何していた?」


戦争とは大国との戦争の事である。


「大学に行って徴兵免除されたのぉ・・・株式は?」

「あたしも徴兵免除、 体ひょろひょろだったしね・・・」

「それは良かった・・・のか?」

「当時は徴兵されたかったなぁ・・・毎日ひもじくて・・・」

「なんだかんだで優遇されていたんだな儂・・・」

「この老人ホームは元自衛隊の人が二人居るから戦争の話は結構盛り上がるよ」

「そうなのか?」

「10年位前までは戦友会の話が凄かったなぁ・・・」

「戦友会?」

「戦争の時の同僚たちの集まりだよ」

「同窓会みたいな物か」

「そうだね、 同窓会無いから良く分かんないけど」


そういえば自分も同窓会に参加していなかったな、 と思う魚目だった。


「所で大学で何を勉強していたの?」

「怪人学について色々とな」

「怪人学? 怪人の何を勉強してたの?」

「怪人とは何か、 それを探究する学問だ」


実際には怪人は人間だと分かっていたので、 どうやって人間を怪人にするか

それを魚目は研究していた、 大っぴらには出来なかったので

他にも様々な事を研究して大学には在籍し続けていた。


「しかし自衛隊か・・・」

「あれ、 魚目さんは自衛隊反対派?」

「いや・・・でも自衛隊って怪人に対しては勝率悪いだろ

新しいC2号部隊と言うのが頑張っているらしいが」

「あれは自衛隊とは違うんじゃない?」

「それもそうか・・・」

「いや・・・同じ・・・なのか? 今度来た時に聞いてみよう」

「聞いてみる?」

「最近結婚した一郎さんの孫娘の旦那さんがC2号部隊のお偉いさんみたいでな」

「孫娘の旦那さん?」


C2号部隊のお偉いさんが来ると聞いて身構える魚目。


「なんだか身震いがするのぉ・・・」

「何で?」

「・・・・・公僕は大切なのは分かるが直接は会いたくない

昔、 駐禁きられたからな」

「それならこっちも逮捕歴有るよぉ」

「前科持ちなのか・・・」

「騙されて運び屋にされただけだよ」

「何を運ばされたのかは聞かないでおこうか・・・」


そんなこんなを話している内に時間は過ぎて夕方になった。


「そろそろ夕食の時間になる、 下に降りよう」

「分かった・・・先に行っていてくれ」


株式は部屋の外に出た、 魚目は携帯電話を取り出して黒崎に電話をした。

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