第252話【孤高】
そんなこんなで桃園老人ホームにやってきた魚目。
とりあえず長椅子に座って雑談をする。
「魚目さんはスポーツとかするの?」
「!?」
一郎の質問に仰天する魚目。
「何で驚く?」
「いや・・・だってもう歳も歳ですし・・・」
「俺は98だがバスケットとかやるぞ?」
「98!? とても見えないですぞ!?」
「年寄りも若く見られるって言うのは何歳になっても良いもんだ」
「でも軍曹殿、 相手が居ないから何時も一人でバスケットボールやってるじゃないですか」
「・・・それはバスケットと言うのか?」
「足腰が強い老人、 来ないかのぉ」
「厳しいでしょ」
「サイボーグとか・・・」
「SFですか」
「人類の夢を叶えるのが科学でしょ」
「それは同感ですのぉ」
一郎の言葉に同意する魚目。
「分かってくれますか、 じゃあバスケしますか!!」
「それは出来ませぬ」
露骨にがっかりする一郎。
「じゃあ・・・一人でスリーポイントシュートの練習でもして来ます・・・」
「はーい」
とぼとぼと外に出る一郎。
「悪い事しちゃったかな・・・」
「バスケなんて出来る年寄りの方が少ないんだから気にすんな」
「それもそうだが・・・しかし90代でバスケが出来るなんて羨ましいな・・・」
「魚目さんは歳幾つ?」
「85位じゃな」
「同い年かー」
「85歳が三人・・・これは運命ですな!!」
「黙ってろエセ教祖」
「教祖?」
「私、 元々教祖をやってました」
「・・・・・そうですか」
闇老人ホームと言う肩書からこういう人物も居るのだろうと前もって知っていたので
そこまでの驚きは無かった。
「驚きのレベル、 バスケ>教祖ですか!?」
「まぁ・・・教祖って大体年寄りですし、 教祖も居るかなと」
「魚目さん、 言わせて貰うよ、 普通は居ねーよ、 もう一度言うぞ居ねーよ」
「はぁ・・・」
「まぁとりあえずだ、 自己紹介をしないか?」
「あ、 それもそうですね、 よろしくお願いしますー」
「とりあえず顔と名前は第250話を見て貰うとしよう」
「なるほど、 250話に出ている5人以外には老人は居ないのですかな?」
「そうなりますな、 他にはスタッフが何人か居る・・・
その説明はハジメ君に説明して貰うのが良いだろう」
「俺ですか? 分かりましたー、 じゃあスタッフを紹介しますね」
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