第249話【ラーメン】

都内郊外の大して流行っていないラーメン店、 昼時でも無いのに四人連れの客がやって来た。


「豚骨ラーメン三つね」

「あいよー」


店主が注文を受けてラーメンを作り始める。


「誠也君、 本当にバックレて良かったの?」

「金なら充分に集まったし大丈夫でしょ、 この一ヶ月資金集めの他にも

拠点の目途も立った、 問題無いよ」


誠也が水をコップに注いで飲んだ。


「デモサ、 コノタイミングデニゲルノハマズクナイ?」

「いや、 逃げ時だったんじゃない? ノギクボの残党と浦吉の組がドンパチやっているみたいだし」

『次のニュースです、 指定暴力団『谷野字組』の事務所で怪人が現れたと通報がありました』


ラーメン屋のテレビからニュースが流れる。


「丁度やっている」

『『谷野字組』の組員が違法に所持していた銃火器で怪人は撃退されましたが

周囲の影響を鑑みて『谷野字組』の事務所に強制捜査のメスが入りました

『谷野字組』組長の谷野字 浦吉は行方不明で構成員数名は逮捕され

怪人との交戦で死傷者が出ています』

「これは酷いな・・・」

『また今回の件で複数の麻薬の密売人の住所も分かり

麻薬の密売人達も逮捕される見込みです』

「うわ・・・私達も危なかったのか・・・」

「らしいな、 暫くは逃亡し続ける事にしましょう」

「そう・・・だね・・・」

「へい、 豚骨ラーメン三つおまちー」

「子供用に取り皿二つ頂戴」

「あいよー」


四人はラーメンを啜った。


「ラーメンッテハジメテタベルケドウメー」

「そうだろー、 ビールが欲しいがバイク運転しているから無理だな」

「いや、 バイクはここで降りて行かない?」

「何で?」

「二ケツはちょっと目立つしさ、 車でも買って行かない?」

「車買うのにも身分証とか必要じゃない?」

「あ、 そっかぁ・・・じゃあ如何しよう?」

「とりあえずバイクに乗って、 闇ディーラーにでも調達して貰うよ」

「闇ディーラー?」

「身分証入らずに色々車とか調達してくれるんだ」

「そうなんだ・・・」


ズズーとラーメンを啜る誠也達四人。


「まぁ暫くは休んでいても大丈夫だよ、 薬とかで金は一杯有るしね」

「それは良かった」

「コレカラドウスルー?」

「とりあえず新しいアジトを見つけて、 少し休ませて貰おうかな」


そしてチャーシューを口にする誠也。

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