17thSEASON

第227話【お使い】

「一体どうなる事かと思ったが・・・まさか刺されるとはな」


拾った新聞を公園のベンチで読む誠也。


「胎太鼓・・・噂には聞いていたよ

上司へのゴマすりだけで重役に上り詰めた人らしい

こんな結末を迎えるとはな・・・」


鶴瓶が寂しそうに語る。


「まぁ俺達の存在が明るみに出ないみたいで安心したよ」

「如何だろう、 C2号部隊は私達の情報をキャッチしている可能性が有る」

「そうなのか?」

「あくまで可能性って話だけどね」

「用心に越した事は無い・・・か」

「ツツベー、 セイヤー、 カッテキタヨー」

「お、 来たか」


買物袋を持って二人組の孤児がやって来る。

彼等はマーチンとポナタ、 海外からやって来たショタである。


「オモカッタヨー」


マーチンはとても賢く、 脱出の際は誠也を脅す事を思いついた。

滴らずだが言葉もきちんと話せるようになって来ている。

彼はオジギソウの怪人である。


「・・・・・」


ポナタはあまり賢くはない、 馬鹿では無いが普通である。

彼はアヤワスカの怪人である。

幻覚剤としては大麻の誠也よりも格上である。


「・・・なんか多くね?」

「オバチャンタチガクレタ、 コノクニハイイネ

ボクノクニジャアコドモダカラッテコンナコトシテクレルヒトハイナイヨ」

「そうか」

「クレルノハセイゼイナマリダマダケダヨ」

「物騒な話だなぁ・・・」

「じゃあ食べようか」


鍋をセットして火を起こして具材を投入して鍋をつつく四人。


「オイシイ!!」

「・・・・・」

「御飯が欲しいかな」

「私は酒が欲しい」

「ゼイタクダネー、 ウチノクニジャアコンナモノタベラレナカッタヨ」

「貧しい国だなぁ・・・」


鍋をつつきあい、 空になった所で誠也が切りだす。


「なぁ、 何時までもこんな所でグダグダやっていても仕方が無い

こんな根無し草の生活を送り続けるのは如何かと思う」

「そうだねぇ・・・久々の娑婆だからチンピラを狩りながら

少し遊んでいたけど何か行く所有るの? 私も君も死亡扱いになってるよ?」

「ボクラモミツニュウコクダシネー」

「(何か言っている)」

「ソウダネ、 ポナタ」

「なんて?」

「『イエハモトモトスンデナカッタ』ッテ」

「ストリートチルドレンって奴か、 だが俺は良い所のボンボンだから

こうして公園で過ごすのは我慢ならん、 何とかしないとな」

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