第219話【臨時ニュース】

『C2号部隊が先程ノギクボ製薬本社に怪人討伐の為に向かった模様ですが

何とノギクボ製薬が怪人作成に加担していたと言う証拠が発見されました!!』

「「「えっ」」」


がちゃんと箸を落す三人。


『怪人を人為的に造り出す研究をしていたと言う資料が発見され

今回の怪人の大量発生は実験の失敗では無いかという見解が示されました』

「いや、 それは無い筈じゃ、 怪人が居たのは研究所

本社には怪人が居ない筈、 無関係じゃ」

『この事実からノギクボ製薬の関係者に怪人誘致罪が適用される可能性が出て来ました

【蔵馬事件】から適用例が無い法律を初めて適用されるとの事ですが

弁護士の金林さん、 一体どうお考えですか?』


アナウンサーが意見を求める。


『そうですね・・・混乱した状況の中で発見された物に証拠能力が有るのか?

と言う所がポイントですね』

『と言うと?』

『今回、 何の嫌疑もかかっていない状態から怪人が襲って偶々証拠が発見された

捜査も無しに発見できた証拠が証拠として認められるのか、 と言う所が争点になるかと』

『なるほど』

「・・・・・これ儂、 自供するメリットあるのかのぉ・・・」


ぽつりと呟く魚目。


「・・・急いで御飯を食べて戻ろう、 これからの事を話し合う必要が有る」


癒し屋がそう言いながら春巻きを頬張る。


「そうだな・・・」


夢宮も角煮定食を急いで平らげる。


「うむ・・・最後の晩餐とはならなかった様じゃな・・・」


レバニラを胃の腑に収める魚目、 そして中華屋を後にした。


「お客さんお会計ー」

「おっと忘れていた」


勿論、 お会計を済ませた後に。

黒崎医院に戻る夢宮達。


「臨時ニュース見たか?」

「あぁ、 ノギクボの闇が明るみに出たな・・・」

「何か可笑しい、 急過ぎる、 何か不自然だ」


癒し屋が語る。


「確かにいきなり証拠が出て来る、 出て来たにしても発表が突飛過ぎる」

「78もそう思うか、 何か変だ・・・C2号部隊が怪しく思えて来た」

「じゃあ如何する?」

「・・・・・お爺ちゃんの命は一時預けておこう、 黒崎

ここで面倒を見て貰える?」

「何で俺が・・・」

「黒崎、 私には色々と恩があるだろう」

「こっちも恩は色々と返しているだろう」

「命の恩を色々で返せると思うなよ」

「ぐぬぬ・・・」


結局黒崎は押し切られ、 黒崎医院で魚目を預かる事になったのだった。

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