第208話【大脱走】

ノギクボ製薬の秘密の研究所。

訓練スペースで怪人化している200人の孤児と鶴瓶と誠也。

何れも植物ベースでオオスズメノテッポウ、 ツリガネニンジン、 クサネム

カッコウアザミ、 ヤマヌカボ、 キランソウ、 ホナガアオゲイトウ等

様々な植物の怪人が居る。


『怪人化すれば母国語が違っててもコミュニケーション出来るのは発見だったな』


鶴瓶が語る。


『そうだな・・・それじゃあ鶴瓶・・・号令を頼む』

『あぁ・・・皆!! 良く聞け!! これから私達はこのノギクボ製薬から脱走する!!』


おおおおおおおおおおおおおおおおおお!! と唸る孤児達。


『ここには200人しか同志は居ないが

現在、 残り100人の同志が既に警備部を襲撃しフルスコップ10を破壊している所だ

混乱している内に我々は一気に外に出る!!』

『警備部の対怪人用装備は如何なっているんだ?』


孤児の一人から尋ねられる。


『それも問題無い、 既に準備して無力化してある』

『どうやって?』

『草木を銃身に詰めてある』

『バレないのか?』

『普段撃たないから分からんよ』

『逃げた後は如何するんだ?』

『逃げるルートの先のCゲートに大勢で移動出来る車を用意してある』


孤児達の質問に答える鶴瓶。


『さてそれじゃあ見張りもそろそろ怪しむ頃

行動を開始しよう!!』


おおおおおおおおおおおおおおおおおお!! と唸る孤児達。

その唸り声に負けない程大きなサイレンが鳴り響いた。


『今頃気が付いても遅い!!』


しかし続けてスピーカーから流れた報せは鶴瓶と誠也、 そして孤児達を困惑させた。


『怪人襲撃!! 怪人襲撃!! 適性怪人が研究所に侵入!!

敵怪人の数は二体!! 現在Cゲートにて交戦中!! 近辺に居る警備部及び怪人は迎え!!

これは訓練では無い!! 繰り返す!! これは訓練では無い!!』

『!?』

『何だと!?』


驚愕する鶴瓶と誠也。


『ど、 如何する?』

『Cゲート以外の所から逃げるしか・・・』

『で、 でも脱出ルートはCゲート・・・』

『歩いて逃げられるのか?』

『いや、 カーナビを着けてある車で逃げるしかない!!

私もこの研究所の詳しい場所を知らん!!』

『・・・・・じゃ、 じゃあ』

『敵は怪人二体!! 我々は300体以上!! 負ける筈が無い!! 行くぞ!!』


鶴瓶が孤児達を引き連れて向かった。

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