第171話【謝罪】

「私は悪いけど、 ここに残るよ」


鶴瓶は三人に向かって言った。


「危険だから仕方がないよ」

「分かってくれて嬉しいです」

「家族が無事だったら、 戻って来て良いですか?」

「大丈夫ですよ」


七峰が若干顔を俯いて喋る。


「では車を一台お借りしても宜しいでしょうか?」

「えぇ、 どうぞ非常時ですし・・・私が趣味で買った軍用ジープが有ります」


海道達は車を借りて会社の外に出たのだった。


「・・・・・さて鶴瓶さん、 言い難いのですが良いでしょうか」

「言い難い? 何?」

「実は・・・いや、 実際に見て貰った方が早いか」

「???」

「来て下さい」


七峰に案内される鶴瓶。


「所で鶴瓶さんって怪人になれるって本当ですか?」

「えぇ、 本当ですよ、 なってみますか?」

「お願いします」


朝顔の怪人に変異する鶴瓶。


「・・・・・改めて見ると威圧感有りますね」


人間に戻る鶴瓶。


「ははは、 それにしては冷静ですね」

「えぇ・・・まぁ・・・」


地下の研究棟に案内される鶴瓶。

そこには・・・


「・・・マジ?」

「マジです」


多くの怪人が捕獲されていた。


「如何やって捕獲したの?」

「『フルスコップ10』を使用して会社の近くに居た怪人を捕まえました」

「・・・それじゃあ私は何のためにここまで来たの?」

「すみません・・・無駄足になりました・・・」

「・・・・・」


溜息を吐く鶴瓶。


「とりあえずスタンピートが終息するまでここで待機して貰い

スタンピートが終わったら帰る、 と言う事で如何でしょうか?」

「・・・うーん、 誠也君達は如何なるかな?」

「彼は本社に一足先に帰還しました」

「帰った? マジで?」

「マジです」

「何で?」

「危険過ぎると思って本社に連絡したんですよ

それで我々がもう怪人を捕獲していると伝えたので・・・」

「危険?」

「さっきのC2号部隊の兵器ですよ、 『フルスコップ10』よりも

遥かに使い勝手が良くリスクが無く強い・・・」

「それは厄介だね・・・回収しておかなくて良かったの?」

「襲うのはリスクが高いので・・・」

「それで良いの?」

「ですのでリスクの無い方法を選ぶ事にしました」

「どういう事?」


七峰は懐からボタンを取り出した。

ドクロマークが描かれており、 明らかに爆弾のスイッチと分かる。


「さっき海道さん達が乗ったジープに仕掛けておきました」

「なるほど・・・お主も悪よのぉ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る