第160話【せんたく】

「滝さんやりましたよ!!」

「如何した?」


警備室で籠城している滝の元に中年がやって来る。


「SNSで救出を求めていたらC2号部隊が助けに来てくれるらしいです!!」

「彼等か・・・それは助かるな、 お陰でせんたくをする必要が無くなった」

「選択? 何の話ですか?」

「せんたくの話だ」

「いや、 何を選択するんですか?」

「服だよ」

「服? 服の何を決めると?」

「いや・・・せんたくって洗濯の事だぞ、 服を洗う洗濯だ」

「あぁ・・・それですか・・・」

「ここに閉じ込められて結構経つからな・・・

トイレやシャワーは何故か備え付けで水道も確保出来たが

洗濯機が無いから何日も同じ服なのは辛い・・・

オマケに寒いから暖房をつけなくちゃいけない」

「それは関係無いのでは?」

「暖房をつけると汗をかいて、 洋服に匂いが・・・と言う悪循環」

「あぁ~・・・」

「おかげで隣の電気屋まで洗濯機を取りに行こうかと思っていたよ」

「それは行き過ぎでは?」

「そうでも無い、 ここに居る人の中にもシャンプーを取りに危険な中

外に出る奴もいるじゃないか」

「まぁ、 そうですけども・・・」

「ここには色々装備が充実しているから良かった物の

下手をすれば武器が無くなってジリ貧だぞ」

「・・・・・まぁ大丈夫でしょう、 犠牲者はたった一名でしたし」

「そうだな」


犠牲者が出ている事に疑問を抱かない二人。

既に緊張感はピークに達していた。


「閑話休題、 C2号部隊は何時頃やって来る?」

「かなり早いと思いますよ」

「早い・・・ねぇ、 武装していても怪人のスタンピートに何処まで対応出来るか・・・」

「それが新兵器とやらを持って来ているみたいで・・・」

「新兵器?」

「黒部テレビのニュースでやっています、 何でも怪人を即座に倒せる位

パワーアップするパワードスーツだとか」

「SFに両足突っ込んだ世界観になって来たなぁ・・・」

「映像を見ても訳分からない映像になってます、 本当に瞬殺でした」

「うーむ・・・不安だなぁ・・・」

「不安?」

「過剰な力を持つと色々と文句を言って来そうな国や団体が有るじゃないか」

「確かに不安ですが

今は私達を助けてくれるのにそんなに凄い装備を使ってくれる事に

感謝して安心しようじゃないですか」

「それもそうだな・・・」

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