11thSEASON

第119話【脱走】

『おはよう、 誠也君』


ノギクボ製薬にて多数の銃口を向けられながら起床する誠也。


「!? な、 何!? 何だ!?」

『落ち着き給え』


スピーカー越しに会話を行っている。


「アンタ誰だ!?」

『警備部の六頭と言う者だ、 君に一つ聞きたい事が有る』

「聞きたい事・・・?」

『もしも偽りを吐いたら即座に嘘発見器にかかって鉛玉を撃ちこまれる事になる』

「・・・・・聞きたい事って何だ?」

『昨日未明、 葵が逃げ出した』

「・・・・・それが? 俺達の体には爆弾が仕込まれているんだろう

逃げたら爆弾でBON!! じゃないのか?」


当然の疑問を口にする誠也。


「それで終わりだろうに」

『我々もそう思っていた』

「・・・どういう事だ?」

『自分の腹に腕を突っ込んで爆弾を抉り出したんだ』

「それ普通に死なないのか!?」

『我々も驚いている・・・』


頭を抱える誠也。


「それで俺が何で銃口を向けられているんだ?」

『脱走に君が関与していないかの事情聴取だ』

「俺が関わっているんなら一緒に逃げるよ!!」

『・・・なるほど、 疑って悪かったな』


誠也は解放された。


「あーいてぇ・・・」

「誠也君、 君もやられたのか?」


鶴瓶が首を鳴らしながら誠也の下に来る。


「鶴瓶さん、 アンタもか?」

「本当にねぇ・・・葵ちゃんが逃げるなんて・・・予想だにしてなかった」

「大人しそうな印象の子だったけどねぇ・・・とりあえずこれから如何する?」

「まだ眠い・・・今何時?」

「午前四時」

「良くこんな時間から起きていられるなぁ」

『こんな時間から起きていられるなぁと言うが、 爆発やら何やらで大変だったんだからな!!

寧ろ何で君達起きなかったんだ!! そう言う所だぞ、 君達が疑われたところは!!』


スピーカーから六頭の声が聞こえる。


「・・・・・俺達が普段寝てる部屋は防音になっているから

物音とか聞こえないんだわぁ・・・」

「そーそー、 全く本当に困ったもんだよ」

『・・・・・それは申し訳ない』


謝罪する六頭。


「意外に素直」

「六頭君って意外に素直だから結構女子に人気ある子なのよ」

『テレル』

「何だかなぁ・・・二度寝するわ・・・」

「私も・・・流石に眠い・・・」


自分の部屋に戻る誠也と鶴瓶。


『私はまだ仕事だ、 眠たい・・・』


六頭は愚痴をぼやいた。

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