7thSEASON

第69話【白滝 一穂は後悔する】

白滝 一穂、御年27歳。

彼女は怪人ハンターである、主に大企業からの依頼で怪人を駆除する。


白滝グループと言う国内有数の大企業の令嬢だった彼女が何故怪人ハンターになったのか?

それは10年以上前に遡る。


彼女には幼馴染の少年が居た、水無月 誠と言うその少年は

白滝が5歳の時からつるんでかれこれ12年の付き合いだった。

その彼と些細な事で喧嘩して疎遠になった

頑張る彼の姿を見て謝ろうとした矢先。

怪人によって亡き者にされてしまった。

それ以来、白滝は怪人を殺し続ける日々を送っているのだった。

あの日の自分の様な後悔をする者が居なくなるようにと彼女は銃を握る。


白滝グループの最新鋭自動小銃二丁と防刃スーツを身に纏い。

黒い長髪をなびかせて今日も彼女は怪人を狩る。


そんな彼女の元に依頼が舞い込んだ。

依頼人はノギクボ製薬『実験場敷地内に怪人が迷い込んだ

機密情報も有るので秘密遵守の為に

通信機器の類を持ち込まずに怪人駆除を行って欲しい』との事。

他にも数人の怪人ハンターに声をかけていると言う事で彼女は

ノギクボ製薬の実験場に向かったのだった。


ノギクボ製薬の実験場は荒廃した荒山の奥に存在していた。

鉄製のゲートの前に立っている4人のハンター。

何れも高名なハンターだった。


「白滝サン、貴方も来ましたか」


Dr.ヒネリ、高齢ながらも一線で活躍する古強者。

人類の繁栄の為に怪人撲滅を願う科学者、劇薬を用いて戦う。


「随分な面子だなぁー」


黒沢 節、大柄で来は優しい力持ち。

報酬の殆どを様々な慈善団体へ寄付をする心優しい性格。

その巨体から繰り出されるハンマー捌きは見事の一言。


「流石天下のノギクボ製薬と言う所でしょうか」


金沢・フェット、自信過剰な所がある若いハーフの男性。

金の為に戦うが怪人を多く殺しているスペシャリスト。

特注のセーバーソーは当たれば死ぬ代物。


「・・・・・・・」


通称、マルタン。

仕事のやりとりもメールで行い一切喋らないボムブラストスーツに身を包んだ男。

爆弾を多用する。


「・・・・・滝 和人も来ると聞いていたが?」

「奴なら来ないよ」

「何故?」

「親戚の法事だとか」

「・・・ふざけた奴だ、怪人討伐と法事、どっちが大事だ」

「まぁ奴らしいよ」


この後、白滝 一穂は強く後悔する事を彼等は知らない。

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