6thSEASON

第57話【岩】

波が打ち付ける海辺の崖、二人の怪人が激闘を繰り広げていた。

一人は三葉虫の怪人、78、本名を夢宮 徹。

もう一人は亀の怪人、本名を華夏林 権三郎。

近くの海の家を営む老人である、海を汚す観光客を狙って殺人を繰り返していた。


夢宮は剣と盾を使って華夏林を追い詰めていった。

亀の怪人なので甲羅の防御力で決定打にはならないがそれでも華夏林をじりじりと追い詰める。


『くっ・・・ここでやられる訳にはいかん!!

海を汚す不心得者をまだまだ成敗しなければならぬ!!』


崖から飛び降り着水する華夏林。


『くっ!!』


逃げられる夢宮。

しかし下は海、泳ぎで亀には勝てないだろう。

三葉虫は海の生き物だが夢宮自身泳ぎには自信が無かった。


『・・・!!』


夢宮は傍に有った岩を掴み思い切り華夏林に向かって投げた!!


『がへっ!!』


甲羅が砕ける程の質量と硬さ、そして力が加わった事により華夏林は絶命し爆散した。


『・・・・・」


怪人から人間に戻る夢宮。

そして今の状況を振り返った。


今回は都合良く岩が有ったから良かったが、これからも岩が有るとは思えない。

剣や盾では如何しようも無い時も有る。


「もっと様々な武器を作って使える様にしなければ・・・」


禍蜻蛉を倒してからバイクを転がして各地で怪人を倒して回っていたが

限界を感じ始めた夢宮は修行を行う事にしたのだった。

これからあらゆる状況に対応する為に

もっと様々な攻撃手段が必要だと判断したのだった。

その為にまずやらなければならないは遠距離攻撃である。


剣を投げるだけでは足りない

遠距離攻撃の手段を構築しなければならないと判断し

その手段を模索する事にしたのだった。


「まずは修行だな・・・」


ヘンリーの所でやった様にイメージを固めて集中し実践する。

このやり方で行えば問題は無いだろうと夢宮は思ったのだった。

早速食料を買い込んで人目の付かない山奥で怪人になり。

イメージを固め集中する事にしたのだった。


まず夢宮が思った遠距離攻撃の方法は弓であった。

弓で相手に攻撃すると言うイメージで弓を作り出そうとした。

しかし出来上がった弓は弦がしならず、弓としての役割を果たさなかった。

そもそも今回の様な亀怪人の様な防御力が高い怪人が出てきた場合不向きである。


「如何しようか・・・」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る