第42話【過激】

「折角だからって首を突っ込むって・・・

ドリーム君思ったより過激だねぇ・・・」

「そうですか?」

「首を突っ込むって・・・ファンクラブに潜入とか?」

「ズズー止した方良いと思うよ?禍蜻蛉のファンクラブやっている人の

SNS見た事有るけどドロドロしていて何と言うか・・・ねぇ?」


タピオカが諫める。


「でも折角ですし潜入してみようと思います

何か有ったらまた板で報告しますよ」

「そもそも潜入出来るのかが怪しいけど・・・でも待ってるよ」

「えぇ・・・では失礼します」


夢宮は席を立って喫茶店を後にした。


「・・・凄い人ですね」

「怪人に親でも殺されたのかしら・・・」

「・・・・・ん?戻って来たよ?」


慌てて戻って来る夢宮。


「如何したの?」

「頼んだカツカレー食べるの忘れてました」

「ズコー」






カツカレーを食べた後

図書館に向かって禍蜻蛉ファンクラブに付いて調べる夢宮。

如何やら禍蜻蛉作品に対する知識を確かめる為にテストをするらしい。

そこで禍蜻蛉が書いた作品を一通り読み進める事にした夢宮。

だが・・・


「何だこれ・・・面白くない」


最初の内は面白い作品が多かった。

純粋に引き込まれる感覚がして来たが読み進める度につまらなさが鼻に付く。

段々とクオリティが下がっている。

代表作の大洞探偵の事件簿シリーズは最初は本当に面白かったが

後の作品になる程、恋愛やらバトル物やら話が脱線して来ている。

序盤から引っ張って来た大洞探偵の父親の件はあっさり解決して来ている。

話の内容も酷いが作者のあとがきも段々酷くなっている。

最初の内は好青年が書いているんだなと言う印象をあとがきから受けたが

近年に入るとあとがきの発言が過激になっている。


禍蜻蛉のSNSを見ていると近年入って来た新人小説家を扱き下ろし

自分のファンを操って炎上させたり等、やっている事は過激である。

『禍蜻蛉』の予測変換で炎上が真っ先に出て来る程である。


「はぁ・・・」


怪人の手掛かりを探す為とは言えこんな如何しようもない奴のファンを

騙らなければならない事実に憂鬱になる夢宮

しかしこんな所で弱音を吐いている暇は無いのだ

また新たな犠牲者が生まれるかもしれないのだ

急いで怪人を葬り去らなければならない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る