倉庫
【夢を見ました】
家での作業が手狭になってきたので、アトリエのための部屋を借りた。
実際の物件はまだ見ていない。
少し遠く、山側に入らなければならないようだが、夫が運転する車で行ってみることにした。
浅い川に沿って上流へと登っていく。川はきらきら光りながら均一に波を立てて流れていく。
川と道が交差する所に飾り気のない橋がかかっている。渡ってすぐ右側にその家はあった。
向かいに京大の女性の先生が住んでいる。私達が着いたとき、幼稚園児のような男の子を自転車の後ろに乗せて出かけるところだった。女性は自転車にまたがりながら、振り返るようにこちらの様子をじっとうかがって見ていた。
アトリエはきっとホコリだらけに違いないと思い、そうっと中に入った。
ホコリを舞い上げないように踏みながら北側のカーテンを開けると、大きな深い色の川がべったりと横たわって見えた。
対岸に芭蕉の大きな葉が並んでいる。大きな森の入口なんだろうか。
西の窓を開けると、工場のような建物から人々が出てくるのが見えた。
青空の色が薄くなってきて、朱い空に灰色の雲がたなびく。もう夕方だ。
家々の窓からもれる光が緑色に見える。
部屋の中でいろいろ考えていると、外にいた夫が様子を見に来た。
気づくと暗くなっていたので灯りをつけた。
すると中がぱっと見わたせるようになり、南側にドアがあるのがわかった。
物入れかな?と開けてみると、巨大な倉庫に続いている。端が遠く、まるでパースの図面。部屋の明かりがやっと届く薄暗がりの空間に目を凝らすと、永遠に続くようなパースの先端に小さな白いドアが見える。
私はそこまで歩いていけるのだろうか?
突然後ろから娘が私を呼んだ。「まーだー?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます