第136話お花見前
数日後
土曜日になると、晴斗はうるさい声で目を覚まし、眠たそうな顔で横を見ると、麻莉菜が怒って立っていた。
「何で怒ってんの…てか、何で部屋に入ってんの。」
「勝手に部屋に入って‥ごめんなさい…お花見行くんだよね、何で言ってくれなかったの、凜姉ちゃんがお弁当作ってたから聞いたんだよ。」
「麻莉菜が友達と遊びに行くって知ってから決めたんだよ。」
静かになると、二度寝しようとしていた。
「…一緒に住んでると邪魔かな?」
もう一度麻莉菜を見ると俯いて唇を噛んで目を閉じていた、晴斗は座って抱き締めて聞いた。
「邪魔じゃない、何でそんなこと思う。」
「…晴兄は凜姉ちゃんが好きで、私は………」
急に麻莉菜が黙り混むと、晴斗は顔を除き混んだ。
「言いたいこと言って。」
「…私だけ、除け者にしてるよね。」
「してない…ちょっと待って。」
晴斗は立ち上がると、花の髪留めを取り出してベッドに座り、麻莉菜を股の間に座らせて見せていた。
「付けていいか。」
コクコク頷かれると、胸元まで長いセミロングをハーフアップにして髪留めで留め終わると、頭を少し擦って言った。
「邪魔じゃない、麻莉菜にも可愛い髪留め買ったんだ…出来たよ……春休み遊びに行ったりしたよね、邪魔なら連れていってない。」
「…本当に邪魔じゃないの。」
「邪魔なら話してない、本当に麻莉菜も大切だからな。」
急に麻莉菜はニコニコして部屋を出ていった、晴斗は歯を磨いてリビングに向かうと麻莉菜は凜に髪型を見せて似合ってるか聞いていたが「可愛い」と言われていた。
「凜の髪留めもあるからな。」
「晴くん、髪型セット出来るんだね。」
「スマホ見ながらセットしたんだ。」
晴斗は椅子に座ると凜はニコニコして朝食をテーブルに置いて一緒に食べていた。
「晴兄ありがとう。」
急に麻莉菜は晴斗を横から抱き締めて言ってくると、晴斗は頭を擦っていた。
「麻莉菜も一緒に食べよ。」
麻莉菜は席に座ったが、晴斗をジーっと見られていた。
「何で見てくんの、気になるんだけど。」
「晴兄カッコいいのに…ふざけるの好きだよね。」
麻莉菜は少し頬を染めて言ってきた。
「お世辞でも嬉しいけどさ…いつ俺がふざけてんの。」
学校で、急に凜を背後から抱き締めて歩いたり、凜の飲みかけでも飲んでるところを目撃したと麻莉菜に教えられた。
「…か、間接キスだよ。」
「ピアス没収されたとか言った日、俺に食べかけのシュークリーム食べさせたの誰、あれも間接キスだからな。」
「……そ、そうだった。」
麻莉菜の顔は真っ赤になり、凜をチラ見ていたが、晴斗は教えてあげた。
「学校で凜も俺の飲むからな、人前で飲まないだけで。」
「は、晴くん言わないでよ。」
「言っとくけど…雨の日凜と腕組んで帰った次の日に、絡まれたからなぁ。」
「ごめんね。」
「良いよ。」
急に麻莉菜は笑って言ってきた。
「凜姉ちゃんも晴兄が好きなんだね。」
…も‥て何、まぁいいか。
「凜は俺が好きか。」
晴斗はニコニコして凜の顔を見て聞いていた。
「…は、晴くんのこと…嫌いじゃないよ。」
「好きならキスして。」
「いいから食べなさい。」
晴斗が顔を近付けると怒られ、凜は恥ずかしがっていたが、晴斗は麻莉菜を見て言った。
「凜がキスしてくれないんだけど…何で。」
「知らないよ、凜姉ちゃんに聞いてよ。」
「なら麻莉菜が頬にキスして。」
「は、晴兄…キスされるなら誰でもいいの。」
「麻莉菜をからかったんだ、ムキになるなよ。」
「そういうこと言わなければ、もっと…カッコいいのに。」
「俺は凜みたいにモテないからな。」
何故か麻莉菜はムッとした表情で凜に聞いた。
「凜姉ちゃん、今晴兄って鈍感でバカなの。」
「晴くんモテるんだけど、声掛けづらいんだと思うよ。」
「カラオケ行ってから凜の友達に話しかけられるよ、飲み物買いに一緒に行ったりするよ。」
「知ってるよ、誘われてるの横で見てるんだもん。」
「やっぱり知ってるよな…麻莉菜も女子と楽しそうに話してるけど友達出来たか。」
またムッとした表情で麻莉菜に言われた。
「友達出来たけど…晴兄が凜姉ちゃんに抱き付くから、義兄妹じゃないの、付き合ってるのとか、彼女居るのとか…家で晴兄は普通なだよとか、二人が一緒の部屋とかバラしてない私の身にもなってよ。」
「なんで一年が義兄妹って知ってんだよ、早すぎるだろ。」
「私も友達に聞いたら、部活で晴兄のこと聞いたんだって。」
「なんで俺のこと聞くんだろうな、少し怖いんだけど。」
麻莉菜はバンっと机をテーブルを叩いて言ってきた。
「確認したいけど、晴兄手紙貰わなかった。」
「一年から手紙貰ったよ、それがどうした。」
「その手紙どうしたの。」
麻莉菜の目が鋭くなって近付いてきたが、晴斗は朝食を急いで食べ終わり席を立ったが、二人に止められた。
『座りなさい。』
晴斗は直ぐに座ったが、俯いていた。
「晴兄…貰った手紙どうしたの。」
「…捨てた。」
「そんなことだと思った…渡したら、直ぐ断られたって私に言ってきたんだからね。」
「知らねぇよ…急にライン聞かれて、手紙貰っても嬉しくならないんだよ。」
「なんで、ライン交換してあげたら良かったのに。」
「逆に何で教えないといけないんだよ。」
「可愛い子だったでしょ、友達も勇気出して晴兄に言いに行ったんだよ。」
晴斗は深い溜め息をついて、麻莉菜に教えた。
「はぁ…言っとくけど可愛いからって好きにならない、年下は好きじゃないんだ。」
麻莉菜はギュッと目を閉じて唇を噛んで言ってきた。
「…晴兄は年下が嫌いなの。」
「嫌いじゃないけど、年下好きになったことない。」
「晴兄のタイプはどんな人。」
「一緒に居て落ち着く人だな、年上なら外で見せない甘えてくる仕草とかだな。」
それを聞くと、凜は何か聞きたそうな表情をしていたが、麻莉菜は「晴兄モテるんだよ」と頬を赤くして言ってきた。
「晴くんが知らないだけでモテるんだよ。」
「二人が自信持たせてくれるのは嬉しいけど、モテても嬉しくないんだよなぁ。」
麻莉菜は「晴兄カッコいいよ…も、もう遊びに言ってくる」と言って、リビングから真っ赤な顔で飛び出ていった。
「晴くん…麻莉菜も晴くんが好きなんだよ。」
「恥ずかしそうに言って、からかわれてんだよ。」
晴斗は笑いながら言うとソファーに座って、凜は麻莉菜が家を出たのを確認して膝に座って抱き締めきた。
「凜に好きって言われると嬉しい…モテるって言うけど、俺が他の子好きになったらどうする。」
晴斗は抱き締めて、耳元で聞いていた。
「…家族として応援する、彼女としては辛いかも…私が他の男子好きになったらどうするの。」
「前にも言ったけど凜が幸せなら応援するよ、今の気持ちはずっと凜と居たいな。」
「…私も晴くんと居たいよ。」
そっと二人は口付けをした。
「連れていきたい、お花見スポットがあるんだ…早めに行こ。」
「うん…お花見デート楽しみだよ。」
肩に顔を置かれ、甘声で言われて晴斗はドキッとすると、聞かれた。
「晴くん、年上の女性とも付き合ったこと‥あるの。」
「あるよ、中2の頃かな、気になるか。」
「…やっぱり晴くんはモテるんだなって思っただけだよ。」
「どうでもいい、少し遠いから、2人乗りで行こ。」
「たまには晴くんに抱きついて乗りたいから良いよ。」
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