第130話朝から焦らす

朝7時に目が覚めて横を見ると、凜は隣で抱き付いていた、晴斗は頬を撫でると、パッと凜は目を開けてニコニコ笑みが溢れていた。

「やっと起きたぁ、今日は雨だよ。」

「あぁ雨の音がする…ご飯は作ったの。」

「麻莉菜が朝御飯も作るって言うから、晴くんに抱き付いてたの。」

「…麻莉菜か。」

「気にしてないで、麻莉菜も晴くんに嫌われたのかなって、朝言ってたよ。」

「普通に対応するよ、朝起きて居てくれると‥落ち着く…ちょっと歯磨いてくる。」


歯を磨いて戻ってくると、凜に体重を乗せずに股がって、プルッとした唇を触って見ていた。

「…何する‥の。」

「何って、おはようのキスかな。」


晴斗は頬を突っついて遊んでたが、凜の目を閉じて待ってた姿を見て、キスせずに横になった。

「…また‥焦らした。」


頬っぺを膨らませ怒ってたが、笑って教えていた。

「俺はキスするって言ってないぞ。」

「もう、晴くん虐めないでよ。」


急に凜から股がってくると、晴斗はニコニコして聞き返していた。

「凜は変態だね、何するきかな。」

「…私変態じゃないよ。」

「なら退いて。」


凜にキスされそうになると顔を逸らして舌を出すと、首を甘噛みされ、晴斗は股がり返すと、耳元で囁いた。

「上に乗ったり甘噛みすると我慢出来ずに‥襲うよ…凜が声を押し殺してくれたらいい。」


凜の口元にタオルを置くと自分で顔も隠し、凜のパジャマに手を掛けると、腰を浮かせ、晴斗はズボンを脱がすとリボンの付いたピンクの下着を履いていた、何もせずに壁に掛けていた制服のスカートを履かせると楽しそうに笑た。

「襲わないよ、ごめんね。」

「………」


晴斗は凜の顔からタオルを外すと、顔は真っ赤で唇を噛んでいた。

「……もう、何でからかうの。」

「何でだろうな。」

「…私‥麻莉菜いるけど‥覚悟決めたんだよ。」

「今日は焦らすのが好きなんだ。」

「…許してあげるから‥キスしてよ。」

「ごめん、二人だと緊張するんだよ…リビングか教室まで我慢してね。」


顔を逸らして笑うと、凜に胸を何度も叩かれたがキスしなかった、抱き締めて太ももを触るとキスされそうになるが、晴斗は舌を出して拒否していた。

「最近二人だとドキドキするんだ。」


凜は晴斗の胸に耳を当てて調べていた。顔を覗き混まれると、晴斗は目を剃らしていた。

「…本当にドキドキしてるんだぁ、顔は赤くないね。」

「こっち見るな、最近顔見ると‥たまにドキドキする。」

「…たまにじゃダメ、毎回ドキドキして。」

「それは心臓に悪いなぁ。」


凜は恥ずかしそうに「もうすぐ誕生日だね」と抱き締めて聞いてきた。

「そうだよ、何で知ってんの。」

「…大好きなお兄ちゃんで彼氏なんだよ‥知ってるよ…何が欲しいの。」

「普通聞くのか、別に何も要らない、傍に居てくれたらいい。」

「…晴くん何貰うと喜ぶの‥教えて。」

「凜が逆らわない1日が欲しい。」

「ダメ、学校でキスしたり教室で食べさせてとか言うんでしょ。」

「よ、よく分かったなぁ。」

「…晴くんのする事分かるよ…楽しみにしててね。」

「忘れてるかもな。」


晴斗は頬にキスしてベッドから出ると、凜に「まだ二人で居よ」と言われ、またベッドに戻った。

「…おはようのキスまだだよ。」

「さっき言ったよね、二人だと恥ずかしいんだ。」

「…冗談言わないでよ。」

「バレてたか…たまには凜からして。」


逃げると思ったのか、股がられキスされると、直ぐに麻莉菜はドアをノックして部屋に入ろうとするが、鍵を掛けてるため、ガチャガチャとドアノブを触る音がしていた。

「二人とも寝てるの、返事してよ。」

「起きてるぞ、今行く。」


晴斗は凜に小声で教えていた。

「スカートがシワになったかも、ごめんね。」

「大丈夫だよ‥着替えよ。」

「着替えさせてあげる、座って。」

「…今日だけだよ。」


晴斗は立って、ベッドに座られパジャマを脱がしたが「恥ずかしいから、もういい」と言われ、二人は制服に着替えていた。

「前から思ってたけど…制服の着ると胸が小さく見えるな。」


凜は真っ赤な顔で腰に手を当て、胸を張って近寄ってきた。

「し、失礼だよ…Cカップなんだからね。」

「大きさに興味無いからムキになるなよ、俺しか知らないって良いなって思ってるだけ、凜の優しい所と甘えん坊で恥ずかしがる姿が好きなんだよ。」

「晴くん変態ですが、カッコいい所と優しい所が好きだよ……ねぇ、私の顔も好き‥なの。」


降り向くと、凜はベッドに座って俯いて、心配なのか聞いてきた。

「もちろん顔も好き、元々年上が好きなんだけどね、優しい所から好きになったんだ。」


晴斗は先に寝室を出ようとすると、後ろから抱き付かれた。

「どうした。」

「……キスして。」

「キスが好きだな。」

「晴くんにされるキスが好きなんだよ。」


恥ずかしそうに笑みを向けられ、またキスして先にリビングに向かった、リビングに来るとテーブルに朝食が置かれていた。

「麻莉菜おはよう。」

「おはよう…晴兄、昨日襲ってると勘違いして‥叩いて…ごめんなさい。」


麻莉菜と目が合うと頭を下げていたが、晴斗は頭を擦って「誰だって股がった姿見たら勘違いするよ、勘違いさせてごめんね」と言って、凜も来るとテーブルを囲んで朝食を食べ始めた。

「麻莉菜が味噌汁作ったの、美香さんと同じ味だけど。」

「そうだよ、私が作ったんだよ‥美味しいかな。」


凜も晴斗も美味しいと言うと、ニコニコしていた、話ながら朝食を食べ終わると、麻莉菜は弁当箱をキッチンから持ってきた。

「晴兄も凜姉ちゃんも、お昼まで中身見ないでよ。」

「見ないよ、お昼まで楽しみにしてるよ。」


晴斗は受けとると凜に渡して、スクールバッグに直してたが、麻莉菜は晴斗の弁当箱も入らない鞄を見ていた。

「晴兄は指定されたスクールバッグ使わないで、怒られないの。」

「教科書は全部学校のロッカーに入れてるしなぁ、先生も何も言わないよ。」

「晴くん注意されてるでしょ。」

「呼び出されて注意されたね、忘れてたよ…まぁ早く学校行こ、麻莉菜は先に出るか。」

「一緒に行く。」


三人並んで傘を差して学校に向かった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る