第121話二人はいいな

親戚の家から帰ってくると、二人はスーパーに歩いて買い物に来ていた、片手にチラシを持ってカートを押しながら、店内をのんびり歩いていた。

「やっと、凜の手料理が食べられるな。」

「何でも作るよ。」

「カレーがいいな、隠し味入れてね。」


凜は小首を傾げ「隠し味…何入れたらいいの」と可愛く聞かれ、カートを押して歩く凜の背後から一緒にカートを押すと「凜の愛情」と笑ながら教えていた。

「…からかわないで。」

「そこは、いっぱい入れるって言って。」

「……入れてあげる。」

「大きな声で愛情入れますって言って。」

「…もうふざけないで、一緒に押さなくていいから、横歩いてよ。」

「いつまで経っても恥ずかしい気持ちが消えないよ、一緒に押すからな。」

「……はい。」


一緒にカートを押してたが歩きにくくなり、直ぐ普通に歩き出した。じゃがいもや人参、野菜やルーや色んな食材をカゴに入れ、魚コーナーを見ていた。

「塩焼きも食べたいな。」

「今日はお魚にして、明日カレーにしよっか。」

「ありがとう、鯖の塩焼きにして。」

「…いいよ。」


お菓子やジュースもカゴに入れ、カゴがいっぱいになるとレジに向かった、支払いを済ませ、エコバッグに入れるとスーパーをあとにした。


帰り道、公園でイチャつくカップルを二人は見て、家に着いていた。

「…晴くん、今からご飯作るからね。」

「もう昼前になるんだな、二人になれたし横で見ていい。」

「良いよ。」


二人は着替えると、凜はキッチンに立って、晴斗は背後から抱き締めていた。

「…包丁使うから危ないよ。」

「座っとくね。」


お昼御飯の、鯖の塩焼きが焼けたのか、呼ばれてお皿など出して手伝い終わると、席に着いていた。

「魚の骨取って。」

「晴くん、自分で取れるでしょ。」

「凜に取って欲しかった。」


自分で骨をとり、食べながら話していた。

「晴くんも友達と遊びに行くの。」

「凜が遊びに行くって聞いたからね、良太と他の人と遊びに行くんだよ。」

「友達作ってね。」

「あぁ分かってるよ、凜はバイクで行ったらダメだからな。」

「晴くんが居るときに乗るから、安心して。」


二人は食べ終わると、ソファーで抱き締めて、テレビで映画を見ながらのんびりしていた。

「…二人きりだと安心する。」

「春休み入って、二人になれなかったもんな、運転は楽しかったか。」

「楽しかったよ、今は腕と足が痛い。」

「運動不足だな…横になって。」


凜にマッサージを一時間程して、終わると晴斗は正面から抱き締めていた。

「今日は早くお風呂に入って横になろ、ずっと匂いが気にくわない。」

「…私‥臭かった。」

「臭くないけど、いつものシャンプーの匂いじゃないだけ。」

「良かった。」

「一緒に入ろっか。」

「…今日はダメ。」

「そっか、分かった。」


凜に「いい子」と言われると晴斗はキスしていた。夕方になるとカレーのいい匂いがしていた。

「明日カレーじゃなかった。」

「今日作って、明日食べた方が美味しいでしょ。」

「確かに、晩御飯がカレーでも良いよ。」


晩御飯を食べて、晴斗はお風呂に向かい、凜がお風呂から上がるまで、寝室で横になって待っていた、凜が寝室に入ってくるとベッドに飛び乗り、抱き締めてきた。

「ねぇ、良い匂いになったかな。」


凜は髪を近付け、匂わせていた。

「なったよ。」

「…晴くんも良い匂いだよ。」

「嗅ぐな。」

「良い匂い。」


凜は抱き締めたまま静かになると、いつの間にか眠っていた。

…デートしたり、運転で疲れてたんだな。


晴斗は眠たくないが、一緒に横になってると眠っていた。

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