第117話遊園地…① からかわれる
遊園地の近くまで来ると、祐希と彼女さんを待つ間、レトロな喫茶店を見つけて入店していた。
凜と麻莉菜はパフェを食べて、晴斗は抹茶ラテをのんきに飲んでいた。祐希から到着したと連絡が来ると、遊園地までバイクで向かった。
駐車場に止めるど入り口に向かって合流したが、祐希は遅いと怒っていた。
「こっちは三十分待ったわ、話す暇があるなら入ろ…皆で楽しもうね。」
晴斗は祐希に近付き、彼女の服装を褒めたのか聞いたが無視されていた。彼女の名前を聞いてなかったと思い、本人に聞きに行った。
「彼女さん、名前教えてもらえますか。」
「澪です。」
「みおさんだね、花柄のピンクのワンピースが可愛いね、ジャケットと案外合って、澪さんが着ると綺麗だね…まぁ凜の方が可愛いし、今日は綺麗なんだけどね。」
晴斗は適当に褒めて振り向くと、凜は後ろで聞いてたのか、恥ずかしそうに俯いていた。
「今日の凜は、本当に綺麗だよ。」
「…ありがと、晴くん‥カッコいいよ。」
晴斗はバックからサングラスを取り出すと凜に掛け、祐希と麻莉菜と澪さんの前で、凜の頬にキスして手を握り、皆のきょとんとした表情を眺めていた。
「晴斗…今なにした。」
「何って何もしてないよ、ねぇ‥俺が凜に何かしたか。」
「…されてない。」
「ほらね。」
皆は首を横に振るが、晴斗は手を繋いだまま遊園地に入って行った。家族連れやカップル、春休みで男性だけで来てたり、女性だけで来てたりと、人が多かった。凜が恥ずかしそうにしてると、こっそり謝っていた。
「さっきはごめん、見られてたね。」
「…わざとでしょ。」
「正解…頬にキスして。」
「しないよ‥後ろに皆居るんだよ。」
「でしょうね。」
凜とこそこそ話をしてると、後ろから付いきてる3人は、何から乗るか話し合っていた。 決まったのか呼ばれて付いて行った。
「何でさっきから手繋いでんの。」
急に、祐希は振り向いて言うと、晴斗はエッっと言って答えていた。
「今日デートだよね、繋ぐでしょ、凜は俺の1日彼女だよね。」
言うと、凜は真っ赤な顔で答えていた。
「う、うん…デ、デートなんだから。」
「ほらね、二人も繋いだら。」
「二人も繋いでよ。」
凜と二人で、祐希に言うと、真っ赤な顔を見て、笑って…止めていた。
「祐希は恥ずかしいんだよ、凜も言ったら可愛そうだよ」
「…晴くんも本当のこと言ったらダメだよ。」
凜と笑いあってると、祐希は澪さんの手をとり、繋いで歩いていた、晴斗は麻莉菜を呼んで、手を差し出していた。
「麻莉菜、手繋ご。」
麻莉菜は恥ずかしいのか、そっぽを向いて隣を歩いていたが、乗りたい乗り物を見つけたのか、急に聞いてきた。
「一緒にあれ乗ろ。」
見ると、ウエーブスウィンガーを指差していた、晴斗は凜を見て頷くと、皆で乗ってると、麻莉菜と凜と澪さんも隣で笑っていたが、晴斗は少し酔いそうになっていた、終わると凜の隣にこっそり立っていた。
「晴くん‥大丈夫だった。」
「怖かったの。」
麻莉菜も聞こえてたのか、晴斗は二人に笑われたが、相手にしなかった。
「高くないし、絶叫系でもないし…楽しかったな。」
「晴兄とジェットコースター乗りたい。」
「…晴くんとジェットコースター乗りたい。」
「あぁ、乗ったら二人も俺の行きたい場所も行くよね。」
「晴兄は怖がりだから、メリーゴーランドがいいの、皆に言ってこようか、一緒に乗るよ。」
麻莉菜にメリーゴーランドに指を指され、笑われ、バカにされ、イラっとしていた。
「マジで泣かすよ、俺の行きたい場所に麻莉菜と二人で行きたいな、怖いから来てくれるよね。」
晴斗は麻莉菜を睨んでいた。
「…行きます。」
「良かった、もう怒ってないよ。」
麻莉菜の頭を撫でていた。
「何処に行きたいの。」
麻莉菜に聞かれたが「まだ行かないよ、楽しみにしといてね」と楽しそうに笑っていた。
急に「あれ乗ろうよ」と声が聞こえ、誰が言ったのか、皆をみると「ブランコ見たいに大きく揺れるあれ」「乗ろー」と言われて、指を指した方向に、晴斗は視線を向けると、バイキングじゃんかと思い、一人唇を噛み苦笑いをしていた。
「晴斗は乗れるか、あぁ乗れないよな。」
「晴兄は無理だよ。」
「晴斗くんは乗れないの‥可愛い。」
晴斗は、凜以外の3人を見ると笑われ、睨むと笑われ「乗れるよ、バカにすんな」と言ったが、バイキングから降りると吐きそうになり、ベンチで項垂れていた。
「晴くん無理しないでね。」
「…凜だけ優しいな、酔ってしまった。」
「…大丈夫、膝で……枕。」
「なんて言った。」
凜は隣に座り、膝を恥ずかしそうに叩いて「…膝枕」と言われ、膝枕をしてもらい、目を閉じていた。
「男らしくないな、まだ子供だな。」
「…祐希か‥うるさい。」
「晴兄がダサい、カッコ悪い。」
「晴斗くん、膝枕気持ちいいですか。」
「…うるさい‥気分悪いんだよ、凜置いて遊んできて、俺の分まで楽しんで、じゃあ。」
ずっと横で笑われ、怒るとまた笑われ、3人が去っていくと、凜に謝っていた。
「…ごめん、俺が居たら、楽しめないな…本当にごめん。」
「謝らないで、やっと二人きりになれて…嬉しい。」
「…本当に皆と楽しまないで良いのか、俺置いて行っていいよ。」
凜を見ると首を横に振ってた。目が合うと恥ずかしそうに、申し訳なさそうに聞いてきた。
「…高い場所嫌いって知ってる‥けど…二人で観覧車乗りたい。」
「…いいよ。」
「無理してない?」
「…今日という日は今日しかない、邪魔な三人はいない、少しでも二人で楽しもう。」
ぎこちない笑みを向けると「…うん」と言われた晴斗は、急に起き上がった。
「…無理して乗ろうじゃないかぁ。」
「大丈夫‥もう少し横になってて。」
横になり、人目も気にせず凜は晴斗の頭を撫でていた、何十分たったのか、晴斗は急に起き上がった
「…ちょっと怖いな…本当にちょっとだから。」
「私が居るよ。」
「頼もしいような、情けないような、この気持ちって何だろうな。」
「もう、早くいこうよ。」
満面の笑みを向けられ、晴斗の手を握り走り出した。観覧車の順番待ちをしてると、晴斗は自分の腕を組んで「うぅ」と言いながら、一人で心を落ち着かせていたが、三人が観覧車から降りて、腕組みした晴斗を見ていた。
「高い場所が怖いんだろ、無理して乗るなよ…晴斗、聞いてるか。」
「みっともないよ、晴兄聞いてる。」
「本当に高い場所、怖いんですね。」
呼ばれた方向を見ると目が合い、お腹を抱えて三人に笑われていた。
「帰りは、麻莉菜は祐希と帰れ、祐希と澪も覚えとけ、マジで怒ったからな。」
晴斗は吐き捨てると、周りに笑われたが、気にせず凜と乗って、目を閉じていた。
「晴くん‥怒ってるの。」
「…ち、違う‥何で透明なんだよ。」
偶然なのか、行いが悪いのか、透明の観覧車に乗って晴斗は目を閉じ、凜の手をギュッと握ってたが…落ち着かなかった。
「…よかったら、ご飯食べてもう一回乗ろ。」
「いいの、二人きりだよね。」
「…そうだよ、透明じゃないやつな。」
「約束だよ。」
「あぁ約束だ、ところで‥地上はまだですか、体感的にもうすぐなんだよな。」
晴斗はずっと目を閉じて手を握ってたが、ギュッと握り返され、申し訳なさそうに言われた。
「…残念ですが、まだ半分も到着してないです。」
「…マジかよ、長いな。」
凜は晴斗の肩にもたれ掛かり「景色が綺麗だよ、一緒に見よ」と言うが「次の普通の観覧車で見るから」と断っていた。
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