第114話旅行から帰ると…

凜のペースに合わせ、休憩しながら三時間バイクで走らせ家に帰ると、12時に家に着いていた。

…1人だと二時間も掛からないが、ツーリングは楽しかったな。


荷物は晴斗が持ち、先に凜を歩かせていた。鍵を開けさせて先に家に入らせると、凜はリビングの床に大の字で横になっていた。晴斗は股がってキスすると一緒に横になっていた。

「昼御飯は疲れたし、今要らない。」

「私も要らない。」

「今日、親戚の家に行かないで家でのんびりしよっか。」

「…麻莉菜に、今日行くって言ったから‥行かないとね。」

「毎日電話にメール来てた、遊びに来てよって、地元の友達と遊んでるから無理って断った。」

「…お泊まりデートしてたのに‥嘘つきお兄ちゃん。」


凜に頬を突っつかれ、笑われていた。

「嘘じゃない…冗談だよ。」


二人で笑い合っていた。

「今日は疲れたけど、明日はダブルデートだな。」

「…デートどこ行くんだろ。」

「どこだろうな‥聞いてなかった、ごめん。」

「…謝らないで、同じ気持ちで‥楽しみにしよ。」

「そうだな…毎日凜と一緒で嬉しいな。」

「そんなの‥私もだよ。」


凜に「明日のデート、恥ずかしがらずに手繋げるかな、ドキドキしてきた」と言われながら、抱き付かれ目を閉じ…二時間休憩していた。

「…もう行こっか。」

「疲れてないか。」

「…疲れてるけど、麻莉菜待ってるよ。」

「1台で行くからな、危ないし。」

「嫌だ‥運転したい。」


頬を膨らませ、顔を覗き込まれ、覗き返していた。

「まさか、見せたくて乗って行きたいとか‥思って無いよね。」

「…少し思ってます‥ごめんなさい。」

「絶対‥優樹姉と父さんに怒られるんだけど…嫌なんですけど。」

「晴くん‥‥怒られたら‥一緒に謝ろ。」

「凜は裏切るからなぁ‥その癖浮気って言うし。」

「実際‥浮気も最後までしたんでしょ。」

「えぇ、最後までしましたよ。」

「何で開き直るの。」

「…裏切ると思ってるから、あんな臭い場所でベタベタ嫌悪感の空間、嫌なんだよ、苦しかった、凜のこと好きなのに‥知らない女と…。」

「…私も知った時、泣いて後悔したんだよ、許したでしょ。」


晴斗が真剣な表情で見つめると、凜も真剣な表情になっていた。

「本当に、この事は水に流してくれますか。」

「…流します。」

「何があっても、俺を信用してくれますか…凜を信用します。」

「…晴くんを信用します。」

「なら誓いのキスで閉めましょう‥なか。」

「急に笑って‥ふざけてるでしょ。」

「あぁ、分かっちゃったか、親戚の家でキスできなくなるし‥良いよね。」

「うん。」


何度もキスして、イチャついていると、晴斗は親戚の家に行く気持ちが…無くなっていった。

「やっぱり凜と二人っきりがいい。」

「…同じ気持ちだよ。」

「せめて…家で一緒にお風呂に入って、向こうで一緒に寝よ。」

「…うん‥いいよ。」

「毎日、一緒にお風呂入ってよ。」

「…恥ずかしいから‥たまにだよ。」

「たまにでも‥嬉しいな…約束だからな。」

「…うん。」

「指切り。」


二人は指切りをすると、晴斗は直ぐお風呂にお湯を張りに向かった、リビングに戻ると、凜はおみあげに買ったベビーカステラをのんきに食べていた。

「えっ、何で、お土産のベビーカステラ食べてんの。」

「へぇ‥お土産だったの‥もう1つあるよ。」

「麻莉菜と祐希のだからな。」

「…ごめんなさい。」

「食べたものは仕方がない、一緒に食べよ。」


晴斗は隣に座ると、口を開けて待っていた。凜は口に運ぶと何度もあーんと言って、頬を赤くしていた。

「デート中も食べさせてよ。」

「…約束できないよ。」

「そうだよな…祐希がどれだけ変わったんだろうな、手繋がずに歩いてたら呆れるんだけど。」

「私も呆れちゃうかも。」

「見せつけよっか。」

「…そこまで‥しなくてもいい。」

「ですよねぇ。」


お風呂が沸くまで、テレビを静かに見ていた。お風呂の沸く音楽が鳴ると、直ぐに晴斗は凜の手を取り脱衣場に向かった。恥ずかしそうに脱ぐ凜に「先に入るから、風邪引かないうちに、入ってきて」と言って頭を洗って待っていた。


入ってくる頃には、晴斗は体も頭も洗って浴槽に浸かっていたが、恥ずかしそうに頭を洗う凜を見て、頭を洗ってあげていた。

「痒いところはないですかぁ。」

「…な、ないでふぅ。」

「噛んだな、緊張してんのか。」

「…旅館と違って狭いから、落ち着かなくて。」

「抱き締めたら落ち着くよ。」

「……もっと落ち着かなくなっちゃうよ。」

「目を閉じて、待ってるね。」

「…ありがと」


頭を擦り浴槽に浸かると目を閉じて待っていた。寝てたのか、凜に起こされていた。

「お風呂で寝ると、危ないよ。」

「…確かに寝てた‥ありがとう。」


二人が同じ方向を向いて浸かっていると、凜は心配していた。

「…疲れてるんだよ、運転大丈夫なの。」

「麻莉菜が待ってるから‥行かないと。」


晴斗は先に上がり、寝室で横になって眠っていた。凜に起こされ顔を洗い、家を出ていた。

「…晴くん‥本当に大丈夫なの。」

「少し寝ただけ、目が覚めたよ。」


スマホで時間を確認すると、17時前だった。

エンジンを掛け、親戚の家に走らせた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る