第47話断れない

翌朝、凜に起こされていた。


晴斗は一度、目を開けて閉じ、二度寝しようとすると、凜はキスをしておはようと言い…目が合うと頬を染め、ニコッと笑みを向けた。


「…晴くん、もう朝ごはん出来てるよ。」

「…まだ、アラームなってないけど。」

「アラーム止めたよ、今7時半だよ」

…凜はもう着替えたんだな。


晴斗はスマホで時間を確認して、ベッドから出ると、顔を洗い、リビングで朝食を食べながら話をしていた。


「結局、恵を家に呼ぶか…俺はどっちでもいいよ。」


凜は少し悩んで、恥ずかしそうに言った。

「…二人の家に、他の人‥入れたくないから‥断るよ。」

「まぁ、そう言うなら任せた…でも断れたらいいね。」

「…うん、あと今日買い物行くよ。」


晴斗は食べ終わり、寝室で着替えると、そのままテレビを見ていた。


凜は寝室に入って来ると、キスマークを恥ずかしそうに見せていた。


凜は耳まで真っ赤になって、晴斗は笑っていた。

「…なんか、嬉しい‥けど…恥ずかしい。」

「言わなかったけど、体育の着替え中‥気を付けて。」

凜は恥ずかしそうに、怒っていた。

「…先に言ってよ。」

「知らない、凜が関係を隠すから。」

「…それはそれ、これはこれだよ。」

「でも見せなきゃいい‥付けてって言ったよね…ほら学校行くよ。」



凜は不満そうに、学校に歩いて向かった。


教室に着くと、良太はどっかに行ったらしい。

恵だけに挨拶をして席に座り、凜と恵は教室を出ていった。


晴斗は空を眺めていた。

…昼に一人で食べようかな。


二人が戻って来ると、凜は断れたかったのか、悔しいがっていたのを見て、晴斗は聞いていた。

「…断れなかったよ。」

「凜は、本人を前にすると、断れない性格してるよね。」

少し唇を噛んで困った顔をしていた。

「…そうかな。」


晴斗は恵に視線を移し、聞いていた。

「いつ来る、土日か。」

「今日行くよ。」


晴斗は急過ぎて「えっ」っと目を見開き、凜に視線を戻して、「マジで」と聞いていた。


「…晴斗くん、マジだよ…日曜日は予定があるでしょ。」

…引っ越して、土日に行けなかったんだった。

「日曜、呼ばれてんだったな。」

「少し遊んだら、帰るよ。」

「まぁ、凜が許可したなら良いけど。」


チャイムが鳴り、授業が始まった。

晴斗は休憩時間に、何度も他の校舎にも足を運び、屋上のドアを触って、開いてる場所を探していた。


お昼になると、凜から弁当を受け取り、一人で姿を眩ませた。

「たまには、凜も他の人と食べなよ。」

「…どこ行くの。」

「内緒、また後で。」


一人で教室を出て、屋上に向かった。


…なぁ~んだ、一人かと思ったら数人が居るのか。


晴斗は気にせず、階段にあった椅子を屋上に出し、一人で食べていた。


食べ終わると、屋上から見える景色を眺めていた。


チャイムが鳴る前に、教室に戻ると、凜に話し掛けられた。

「…どこで食べてたの。」

「内緒、凜は他の人と食べた。」

「…食べたよ。」


晴斗は何度も内緒と答えて、授業が始まり、放課後を迎えた。


良太は部活に行き、恵を連れて三人で家に向かった。

「恵、家に帰ったら、先に買い物行くからね。」

「分かった。」






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