砂礫の月

作者 羽田有日子

58

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★★★ Excellent!!!

重厚で美しい文章で綴られる世界観と物語に引き込まれます。

異国情緒溢れる風習や衣装、食事の描写が丁寧かつしっかりとした考証と下調べがなされていることが一目瞭然で、世界観の作り込みが素晴らしいです。
参考文献のページを拝読すると、膨大な資料にあたった上でこの世界を構築されていることが分かり、その努力に頭が下がる思いです。

登場人物も皆それぞれ芯の強さと弱さを兼ね備えた生きた人間として描かれており、悪役と言ってもいいオーランでさえも、善悪兼ね備えた人物として一筋縄ではいかない描写がなされています。

人を疑うことを知らない無垢な主人公ニキを始め、しなやかな強さと優しさを持つ姉ヤース、ニキの心の支えとなる姉御肌のハスティ、頼もしくもどこか抜けた面を持つファル、気を病みながらも決して良心を失わない大公に心優しいナヴィド、そして彼らを取り巻く人々全てが魅力的です。

愛する人に守られながら幸せに暮らしていた純粋無垢な少女が疑心を知り、人々の憎しみや絶望、悲しみをその身に受け、苦しみながらもそれを乗り越え、大人へと成長してゆく。
この作品を一言で言うなら、王道の少女の成長物語ですが、その中には人々の善悪や信じるということの難しさ尊さ、愛など様々なメッセージが込められているように思います。だからこそ、心に染み入る魅力と力強さを感じます。

人の善性を信じる勇気を思い出させてくれる素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

生まれながらに特別な力を宿した歌声を持つ、『祷歌師』と呼ばれる遊牧民の少女の、心の成長を描いた物語です。

中東風の文化をモチーフにして作り込まれた世界観は、丁寧に拵えられた美しい織物のよう。冒頭から、読者を一気に物語の中へと誘います。

全く見知らぬ情景の中でのお話なのに、どこか身近で懐かしく思えるのは、主人公・ニキの抱くこの年代ならでは心境に共感を覚えるからでしょう。
純粋で愛らしいニキをはじめ、気高く情に溢れる実姉・ヤース、頼れるイケメンお兄さん・ファル、気風のいい強者姐さん・ハスティなど、どの登場人物にも血の通った温かさがあり、非常に魅力的です。

豊かな語彙で紡がれる巧みな心理描写は、まさに見事の一言。
クライマックスでは、息を呑むシーンの連続で、ニキの感情が直接心に流れ込んでくるようでした。

明るく無邪気で、人を疑うことも知らず、守られるばかりの子供だった少女が、様々な人の思惑や感情に触れ、少しずつ大人へと成長していく。
ただ美しいものばかりの世界ではないけれど、生きる命の礎にあるのは愛なのだと、温かな気持ちになる読後感です。
良い物語を読んだ。そんな充足感を味わうことのできる、素晴らしい物語でした!

★★★ Excellent!!!

もうすぐ13歳になる遊牧民の少女ニキは、祷歌師として生まれた神子だった。
ある日、老婆と籠った石室で倒れてしまい……。

世界観が緻密に設計され、丁寧に描かれていて、読み出した瞬間から自分が草原に立っている気分になりました。
遊牧民という雰囲気と独特の風習の中、等身大に描かれる主人公ニキや姉のヤース、青年ファル、大公リオ……どの登場人物も魅力的で、この物語の1話1話が煌めいています。

まだ連載途中ではありますが、火焔鳥が現れ今後の波乱が予想され、先が楽しみでなりません!

運命に翻弄されていくであろうニキを思うと心がきゅっとなりますが、どんな冒険をしてどのような結末になるのか、最後まで追っていきたいと思います。
これからも執筆頑張ってくださいー。

★★★ Excellent!!!

遊牧民ファンタジーです。

遊牧民の生活、文化、食事、風習、綿密の調べられてます。

確立された世界観が魅力的です。文章上手いので、読んでると世界観に入っていけます。

タイトルのセンス。素敵です。全般的に美しいです。

キャラもいいです。

今後の更新が楽しみです!

★★★ Excellent!!!

連載中の作品で、おそらくまだ導入部分なのだろうと思います。今最新の更新分まで読んだ感想です。
ジャンルで言えばおそらく児童文学になるのかな。児童文学とは、そうは言っても子供だけが読むものではなく、子供から大人までの読書に耐えうる強度を持たなければいけない。
特に子供に読んでもらうのは大変です。大人は自分から騙されてくれるけれども、子供には子供だましが通用しない。子供のほうが本物とそうでないものをはっきりと区別できると私は思っています。
こちらの作品は、中東のイラン系遊牧民をイメージして書かれているそうです。作者様が他の方のコメントへのお返事で「書くより調べている時間のほうが長い」と仰られていますが、ほんとうに丁寧に調べて書かれているのだなということが作中の様々な文化・生活の描写から伝わってきます。
キャラクターの描写も丁寧で、キャラクターを過度に持ち上げることはなく、しかしたしかに愛情を持って書かれているのだということが伝わってきます。丁寧に織り上げられた世界を読むのは心地が良い。
この作品は大人から、そして面白いものとそうでないものをはっきりと区別できる子供までが楽しめる作品になるだろうと思っています。ぜひ今後の更新も楽しみに追っていきたいと思います。