To be continued

闇の奥底、男は笑う。


「へぇー、神と人との共存ねぇ。それは彼ら好みではなさそうだ。けれど、神を人が越えたという事実は、きっと彼らを動かすだろう。なら、先手を打たなきゃだ。協力してくれよ」

「断る。私は傍観者だ。話に関わる気はない」


男は虚空を見つめていた。


「頼むって、仲間だろう?」

「断ると言っている。私と君とでは、あまりに視点が違い過ぎる」

「視点の違いだとか言われてもなぁ、目的はほとんど同じだろ?」

「いいや違う。私は私の役割を果たすのが目的だ」

「役割って?」


果たしてこれは言うべきなのだろうか。


言うべきではない。

それは、本来誰も知ってはならない情報だから。

まぁ、言ったところで信じたがらないだろうし理解もしたくないだろうから、言わない方が良いだろう。


「はぁ、内緒だ。ただ、私の役割には、役割の内容を言わないというものも入っている」

「…………?」

「理解する必要はない。知らない方が良いことだ」

「ふーん。じゃあいいや。それじゃあ俺は、んー誰だっけ、えっと、そう、アマデウスだ。彼に喧嘩でも売ろうか。そうすれば、簡単に集まるだろ」


その方法はどうなのだろうか。

それはあまりに短絡的で……いや、合っているのだろう。

彼はそう言った、そして周りも否定しなかったのだから。


男は闇の中を歩いていく。

あまり急ぐ必要はない、時間はまだある。

全て終わったと安心している闇の王の元へと、男は向かう。

まだ終わっていないぞと、身を以て実感させるために。


「まったく、性格が悪いな」


果たしてそれは、誰に向けて言った言葉だったのだろうか。


………………………………。

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理不尽のない世界の為に貴様を殺す 赤柴 一 @sibamon

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