第253話 出立する二人!
ともかくもオリビエさんとシャノンが村を出て、町の騎士団に知らせる事となった。
足早に村を離れる二人を、丘まで見送りに出る。カリンも丘から降りて来た。
「叔母様、どうぞお気をつけて……」
「大丈夫よ、カリン。連れもいるしね」
そう言ってシャノンの方を見る。シャノンも大きくうなずくと、
「すぐに応援を連れて戻るわ」
と、「任せて」とばかりにガッツポーズをした。
そのまま二人は、町の方へ
丘に戻ると、見渡す地平に黒い霧が広がっていた。モヤモヤとしていた影は今やはっきりと
「あの先端に、カシラがいるのかな?」
「そうですね。人の魔物は、あの方だけでしょうから……」
「黒い霧全てが魔物じゃ無いんだろうけど、大きいな」
「ええ、今まで襲って来る度に空を覆っていた雲が、そのまま大地に
「なるほど、カリンのその考えは当たっていそうだな」
今は上空に黒雲はない。
陽の光を
村の前の刈り入れ後の麦畑をながめながら、俺は村の前にいくつか積まれている麦藁の束の山に気が付いた。
「カリン、アレは?」
「麦藁の山ですね。そろそろ麦を
「カリン、フォリアの加護を受けた炎も、魔物を祓う力があるんだよな?」
「はい。でも、それにはフォリア様がいらっしゃるか、前もってフォリア様の御力の宿った炎が必要なのではありませんか?」
そうだよなぁ。
『火』は用意してないもんな。
つづく
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