第243話 君の思いを受け止めて!
俺の戦い方は騎士団とは
銀の武器があると知ったらそれを使うだろう。いや、用意してくるかもしれない。
その時、俺の声は届くだろうか?
「黒い霧に取り憑かれた者達を助けたい」
そう言えるだろうか?
いや、言わなくてはならない。
人の悪意から生まれたグロスデンゲイルに取り
「カリン……?」
彼女は震える手を口元に当てて、泣くのを
「な、泣くなよ!」
「泣いてませんっ。勇気を出して良かったと思っているんです」
「勇気?」
「ヒ、ヒロキの考えに口出しをして良いか、わ、私なりに悩んだんです」
ごめん。
カリン、ありがとう。
「カリンに言ってもらって良かったよ。本当にそう思ってる」
俺はカリンに作業台の上のナイフを見せながら、この他に銀の矢尻を持つ矢が作られている事を告げた。
「大丈夫。ただ単に魔物を射る事はしない。ナイフは身の守りにする。俺の為には使わない。他の誰かがヤバイ時だけ使う。それは最終手段だ」
他の誰かを守る為に使う事は、カリンも納得した。もしも使う時は、誰かの命を守る為に使うと約束する。
「使う事がない事を祈ります」
「うん。それでさ、作り方を教えるから、作って欲しい物があるんだけど……」
「はい、わかりました。そしてコレを村にも置いておけばよろしいのですね」
「時間がある時に作って置いてくれ。村の誰かにも教えておいて欲しいんだ」
そう言うとカリンはにっこりと笑った。
「ええ。喜んで作ってくれるでしょう。初めて作りましたけど、楽しかったです」
楽しいなら……良かった。
つづく
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