第113話 代引き手数料無し!

ユリウスによる、驚きの代金引換!


「いや、だってコレ高い奴だろ」


「お前は私に買い物を頼んだのではなかったか?」


「あの流れだと完全にお土産をくれたかと思ったぞ」


「男にタダで物をやる訳なかろう?」



うう、解ってはいたのだが…。



「いくらだ?」


「銅貨7枚」


「高すぎる!」


俺が声を上げると、ユリウスはふふんと鼻で笑う。


「正規の値段だ。手間賃を取ってないだけありがたいと思え」


…仕方ない。


「わかった。金は村にあるから一緒に行こう」


するとユリウスは眉をひそめて、


「村に金があるとはどういう事だ?」


「俺達が町で買い物をしているのは、村の金で村で使う物を買っているんだ。コレも村のみんなで食べるから、村の予算から支払うよ」


俺の答えにユリウスは慌てた。


「いや、待て。それでは私が無理に高い物を押し付けたみたいにならないか?」


「なるかなぁ。

騎士様が代金払えって言うんです。

いくらだ?ええっ、高いなぁ。

でも騎士様が〜。

仕方ない、払おう」


「だから待て」


「村の為のお金は村長の奥さん、デボネアさんが管理してるんだ。さあ、行こう」


「わかった。代金はいらん」


ふははは。

勝ったッ!



つづく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る