第101話 俺の部屋には入れません!
「お前、とことん俺の事信じてないな⁈」
「お前以外誰もフォリア様を見ていないではないか」
「銀聖水はどうなるんだよ」
「神殿まで来て、持ち出したのではないか」
「すげえ遠いとこにあるんだろ?行けるかよ」
「別の世界から来たというのも怪しい」
「いい加減にしろよ!」
村の人達が信じてくれた事が、すごくありがたく思える。
初めにコイツらに会ってたら、絶対、異端審問とかされてただろう。
「ヒロキ、落ち着いて」
カリンが俺をなだめる。
腕をつかまれて、俺も気分がそれて行く。怒りがややおさまった。
「じゃあ、あの部屋のドアを開けてみろよ」
「ふむ、よかろう」
ドアを開けるとシーツが
「それをめくって入れ」
ユリウスは素直にそれをめくって——。
「⁈」
「もう一人の動かない俺」を見たせいか反射的に剣を抜いて、部屋の中の俺に斬りかかる。
しかし部屋の入り口にある謎の結界に阻まれて、ユリウスが振り下ろした剣は「バィン」と跳ね返される。
「くっ!不気味な!」
失礼な。
「なんだこれは?入れん」
ユリウスは結界(仮称)を撫で回している。カリンも入れないのだから当たり前である。
「どいてくれ。俺が入る」
俺はぶるんとした感触の見えない壁を通り抜けて中に入る。
そして振り返るとユリウスが目を見開いていた。
「—お前が不思議な部屋を託されいる事はわかった」
そうか。
「だが、まだいくつか疑問が残る」
「…何故ここに女神・フォリアが現れるのかって事だな」
「そして何故お前が選ばれているのか、だ」
つづく
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