第35話 ある意味ナワバリバトル!

こうしてリール村の水撒き部隊が出来上がった。(ナワバリバトルみたいだ。リュックにペットボトルを入れて持たせているから余計に)


普段なら農作業に忙しい村人たちだが、不作でやる事も少ないのだと言う。


二手に分かれて水撒きをしてもらう。


1つは村の周りをぐるっと撒いて回る隊。もう1つは町への道に撒く隊だ。

(みんなきゃあきゃあ騒いで水鉄砲を担いでいる)


カールにリーダーを任せて出発させる。その間に俺は片付けておかなければならない事があった。


俺は村長と話をする為に村へ入った。


デルトガは俺を自分の家に招きあげると、あらたまった様子の俺に目を見開いた。


「どうなされた?ヒロキ殿」


「村長。村長はこの村をどうしたいですか?」


デルトガは片眉を上げて「今さら何を言うのか」と言う顔をした。


「それはもちろん、村の発展と存続でしょうな」


「では、何が必要でしょうか?」


「…必要なもの?」


「今必要なものは食糧ですね。では将来的には?」


俺は畳み掛けるように言った。


「女神・フォリアの恩恵をただ享受するだけではこの村の発展はありません」


「わ、わかっておりまする!まずは一時の飢えを凌ぐ事を考えて食べ物を頂いておりました。それが落ち着いた今、我々も何かせねばと…」


まぁ、カリンの小屋を建ててくれているし、水撒きのお清めも始まったし、あまり責めても仕方ない。


「村長と俺が同じ考えで良かったです。今年は麦が不作だったから、まずはこの冬を越す事と、来年の種蒔きの事を考えましょう」


俺は町までの街道沿いに魔物を寄せ付けない為のお清めをしていると伝えた。


「では町への商売はお手伝いしましょう」


「お願いします」


お手伝い、なのかなぁ。


「そこで得た収益を冬を越す準備と来年用の種籾に振り分けましょう。種籾を確保したら、来年の食糧費にまわしましょう。収穫までの1年間持ちこたえるのです」


村長は平伏すように俺を拝む。

(やめてくれ〜〜)


ともかく方針は決まった。


さあ、売り物の準備をするぞ!


つづく

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