第31話 魔除けの水!

その女性は本当にカリンとフォリアをかけ合わせた美しさを放っていた。


カリンの金髪にフォリアの銀髪を合わせた白金色の髪。


瞳は空色と紫色を合わせた輝く宝石のような色。


白い肌に少し薔薇色に染まる頬。


唇は桜色と紅色を合わせた珊瑚のような桃色。


「カリン…?」


彼女ではないことがわかってはいたが、そう声をかけてしまう。その面差しの半分はカリンのおもかげがあるのだ。


その女性がこちらを向いた。


『私だ』


「フォ、フォリア?」


『うむ。この者は此処らで1番信仰心を持っておるから馴染みやすい』


「カリンは…?」


『眠っておる。ところで…この者の服はどこだ?』


えっ?

あー…、しまった。


慌てて幕の外に出る。

カリンは下着姿で寝ていたのだ。


俺が背を向けているそのうしろで、幕にしているシーツを引き剥がす音がした。


驚いて振り向くと、白いシーツをサラリと身に纏った白金のフォリアがいる。


『早う水を持て。我が力を分けてやろうぞ』


「は、はいっ!」


俺は例のごとく窓から水のペットボトルを増殖して増やす。受け取るカリンがいないから窓からどんどん落として行く。


30本ほど出してから外に出て、カリンの小屋でふんぞり返るフォリアの元へペットボトルを持っていった。


ペットボトルを床に並べると、フォリアは床に座りその1つを手に取る。


『変わった入れ物じゃな』


しげしげと眺めたあと、左手にそれを持ち、右手をかざす。


その右手が光る。


白い光…、いや、銀色の輝きだ。


光は水に宿り、中の水は銀色に見える。よく見れば無色透明なのだが、輝いているせいだろう。


『これを使うが良い。これを使えば魔物は近寄って来れぬ』


ただし万能ではない、と彼女は言った。


『小物は寄れぬが、もしもこの水の力を上回るヤツが来れば魔除けは破られるかもしれぬ』


「わかった。これを地面に撒けば良いんだな?」


『うむ。さあ、もっともってくるが良い』


つづく

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