第16話 小学校5年生で購入したアレ!

 俺とカリンは再びパンをたずさえて村を訪れた。村の方でも朝の仕事が始まっているようだった。


 おさは2人分の野菜スープをきょうしてくれる。(とはいえとても薄くてお湯みたいだった)


 ありがたくいただき、俺はカリンが住むところについて切り出す。


 カリンは俺が話すのは布地についての話だと思っていたらしく、慌てて辞退する。


「だけど住むとこがなければどうしょうもないだろ」


「私は村を出た身ですので…」


 と、いうより神に身を捧げたおかげで俺がやって来たと思っているから、それを反故ほごにするとこの奇蹟が消えてしまうと考えているようだ。


 それがわかったので俺は村長に頼んでみる。


「カリンが住む小屋をあの丘に建ててほしい」


 おさは喜んで承知してくれた。

 ちょうど空き家になった家があるので、それを解体して建て直すとの事だ。エコだね。


「それともう一つ…」


 俺は持ってきたシーツと毛布(この2つがファスナーとか付いてなくて説明しやすいので)を見せて、近くの村や町へ売りに行って欲しいと頼んだ。


 これに付いては長は顔を曇らせた。


 道中に狼が出る事を恐れているとの事だ。無理もないか。でも女神の力が増せば、狼も出なくなっていくはずだ。

 これは俺が行ってもいい。


 とりあえずまずはカリンの小屋を頼めただけいいかな。


 シーツと毛布の良さは見ていた村人達も目を見張っていたから、品質的には申し分ないんだろう。これは村長にあげることとして置いていく。


 丘に戻るとカリンは白いシーツを身にまとって、大きさをみている。


 裁縫道具…。


「あっ!」




 つづく

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