第125話 待ってた

 仕事から帰ると玄関の脇から

「にゃー」

 っ顔を出すチョビさん…

「ん? もどきか?」

 なぜ、この時間に…チョビさんが外にいるわけがない。

 チョビさんに似た猫、『もどき』さんだと思ったが…

「いや…チョビさんだ」

『桜雪、早く開けなよ、寒いんだよ』

 足元で鳴く猫…チョビさんだ。

『もどき』はチョビさんより少し声が高いのだ。

「そもそも首輪してるしな…」


 ドアを開けるとタタタタ…っと家に入る。

 おそらく、窓が開いてた時に脱走して、外から中に戻れなくなったのだ。

『寒かったんだよ』


 僕に怒ってもね…


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