番外編 夢の続き ~再会
第1話 不吉な報せ <フローラ視点>
「フローラ、落ち着いて聞いてほしい」
レオンが侯爵邸へ来るなり開口一番そう言った。なんだか嫌な予感がひしひしとするんですけど。
「ジークハルトが行方不明になった」
「ええっ!?」
ジークハルトが旅立ってからもう半年が経過していた。
彼からは一昨日も手紙が来ていた。そろそろ目途が立つから予定よりも早く帰れるかもしれないと書いてあったのに、あの手紙を書いた後に行方不明になったってこと?
不安が波のように押し寄せる。
「今日彼の部下のディックから連絡が届いた。書状によると今から5日前に捜査に踏み込んだ現場の倉庫で行方が分からなくなったそうだ」
「なんですって……」
「俺はマインツへ向かい彼の捜索の指揮を執る。君はど」
「わたしも行きます!」
「だよなぁ。そう言うと思った。行くからには協力してもらうよ」
「もちろんです」
少々諦め顔のレオから許可を貰った。公演までの日数はまだ十分にある。
彼の安否が危ぶまれる。柔らかな金髪を揺らしながらアイスブルーの瞳を細めて優しく笑いかけてくれる彼の面影が心に蘇る。早く会いたい。会って無事を確かめたい。
フローラはレオンとともにジークハルトを探すためにマインツ商業国へ向かうこととなった。
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