第49話 謎刃と理解

クロウとメグは敵のリーダーの前まで迫っていた。


「クソっなんでこんな、武器選定風情が。」


その前に立ちふさがるのは敵のもう1人のメンバーで、杖を持った小柄な男だ。


そいつ2人が攻撃をしようとした瞬間。


シュンッ


という風切り音のような音がしたと思うと、クロウとメグは後方に吹き飛ばされており、クロウの第1シールドは赤く、メグのは砕け散っていた。




「これは、思った以上に強敵のようだな。

あの3人がこうも簡単にあしらわれるとは。」


奥から現れたのは、茶髪で赤いバンダナを巻いた長身の男。アクアホルンのリーダー。


いや、あいつは何をした?


あのクロウとメグが一瞬で吹き飛ばされるなんて。


「クロさん、なんなんすか、さっきの!」


「俺が知るか、クソ!」


2人は間合いをとりながら謎の攻撃を警戒している。


長身の男は手を払うと再び衝撃が広がり、クロウとメグは咄嗟に回避するが2人ともかわしきれずメグは第2シールドが赤くなる。


「クロウ、メグ!一旦さがれ!」


後方ではルイズと女がイオンの援護を受けつつ攻防している。

あっちは決着までもう少しかかりそうだ。


なら、あの男は俺がやる。


「クロウは俺と一緒にあの長身の男を、メグはもう1人を頼む。」


メグと入れ替わりになるようにポジションを代わる。


まずあの攻撃がなんなのかわからないとな。


俺は食らっても大丈夫なんだが、魔法が効かないことを知られたくはないしな。


いっそのこと、回避しきれなかったときは、何らかの魔法で魔法を封じているということにするか。


「アスカ、気をつけろ!何か刃のようなものを飛ばしてくるぞ」


刃?パーティー名からして、リーダーは水魔法を使うのかと思っていたが。


少しずつ、刃を警戒しながら距離を縮める。


「お前がゼロマジックのリーダーか。どう見ても成人したてのお前たちがどうしてそんな力を持ってるのか、未だに信じられない、よ!」


再び払われた手から衝撃波が放たれる。


咄嗟にレイピアを縦に構える。


クロウも剣を盾にしている。


キイィィィン!


金切り音が鳴って、少し後方へ押される。


「ほう。それで折れないとは2つとも相当の剣のようだな。少し落ち込んだよ。」


そう言うと今度は3本連続刃を放つ。


あれは何だ。非常に薄く、刃というのが正しく思えるが。


俺は創り出しておいた炎弾をそれぞれの刃に向け放出する。


双方がぶつかると


ジュッという音とともに炎弾がかすかに残り刃は霧散した。



ついさっきこの試合でみたような現象だった。

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