第114話 冒険者ギルド

 冒険者ギルドの扉を開けると、昼前ということもありだいぶ少ない。空いているカウンターへ依頼をお願いする。


 「こんにちはクーヤン君。本日はどのようなご用件ですか?」


 「解体依頼をお願いしたいのですが!」


 「ランクや依頼料はどうしますか?」


 「ランクは低くても構わないですが、オーク、狼、熊の解体をしたことがある人で、1日(8ー20)一人20銅貨で、オーク1体につき10銅貨、狼や熊は毛皮の状態次第で、1体につき5銅貨から10銅貨別途支払います。」


 「畏まりました。日にちは明日からでも良かったですか?」


 「はい。明日でも構いませんが見つかりますか?」


 「この条件でしたら四人の新人パーティーでも1日20体は出来ますので、少なくとも2日ぶんの生活を稼げます。間違いなく殺到します。」


 「解りました。明日の7時頃にギルドにきますので、お願いします。」


 「因みに、クーヤン君は受付の担当をつけないのですか?」


 「商売を始めるのと、もうじき学園に入る予定ですので、冒険者活動は極端に減りますからね。」


 「なるほどね。」


 「それでは、失礼します。」


 「はい。あっ!良かったら先程受理したこの依頼を受けませんか?」


 「何ですか?」


 「ズマイ村のブラッグーの討伐。」


 「ブラッグー?」


 「豚のEランクモンスターね。依頼料は30銅貨と安いけど、肉が美味しいからキレイに倒せば買取り額で1金貨にもなるわ。」


 「受けます。」 


 「ありがとう。助かるわ。場所は解りますか?」


 「大丈夫です。」


 ブラッグー、きっと黒豚のように旨いんだろな。馬車で二時間の場所ならモロなら30分もかからない。討伐合わせても二時間と掛からず終わり、美味しい依頼だった。因みに10頭の群れだったので、2頭だけ討伐して残りは、転移でヘンピ村へ送って増やす予定だ。


 「あれ?クーヤン君、依頼終わったの?」


 「はい。これ。」


 「相変わらず早いわね。」


 「ハハッ。モロが優秀なので!」


 回りからは、モロや赤目や影虎のお陰で依頼が出来ているように思われている。依頼完了報告と買取りをして貰い、ギルドを出ようとしたタイミングに、俺が出した依頼を受付にだすパーティーが現れた。


 「クーヤン君、緑の羽が受けたいと来たけど、他のパーティーにも依頼を出しときますか?」


 受付カウンターに戻り、緑の羽のリーダー、ヤイバと会話をする。


 「始めまして、E ランク冒険者クーヤンです。」


 「ども、緑の羽のリーダーヤイバだ。」


 「パーティーは何名ですか?」


 「3名だ。」


 「ミリーユさん、後2人か3人のパーティーがあればお願いします。」


 「おい、俺達だけでやってやる。他なんか邪魔だ。」


 「オークだけで100以上あるので、それと、今後も定期的にお願いするときに、剥ぎ取りの良いパーティーに依頼をお願いしたいので!」


 「なっ!俺達を舐めてるのか。」


 「他のパーティーとが嫌なら受けなければ良い。ミリーユさん明日来ます。」


 怒りに震える緑の羽を無視してそのままギルドをでる。

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