第107話 訓練所。

 翌日、訓練所へ行くと四人はすでに待っていた。


 「おはよう。」


 「おはようございます。待たせたみたいで申し訳ないです。」


 「気にするな。まだ開いてないし。」


 遇遇助け出した四人と話をしていると受付係りの人が現れ、2時間借りる事で1銀貨支払い中へ入る。俺が支払ったのだが相手側が支払うと言いあいで少し時間かかったが、こっちが誘ったのと、練習相手になってくれるのだからと言って強引に話を終わらせた。


 「Eランク冒険者のクーヤンです。武器はトンファーがメインに短剣を使ってます。」


 「Fランク冒険者のビジャ、片手剣と最近短剣を使っている。」


 「Fランク冒険者のシャラン、両手剣だったが、片腕をなくしちまったから片手剣の練習をする予定だ。昨日はすまなかった。」


 「Fランク冒険者のウンガロ、片手剣と盾を使っている。」


 「Fランク冒険者のマーミリ、槍と水魔法が使えます。」


 「時間も勿体ないので、シャランは片腕になれるためにも最初は一人で素振りを、三人は僕にかかってきて下さい。」


 一時間程戦っているが、本当に駆け出しなんだろう。30分もしないうちにあきらかに動きが鈍り、攻撃するときも軸がぶれるため力が伝わってこない。


 「一旦休憩しましょう。」


 「ゼェゼェゼェゼェ、クーヤンは凄いね。」


 「ハァ、ハァ、ハァ、息切れしてない。」


 「ハァ、ハァ、ハァ少し横になる。」


 「シャラン、少し見させて貰ってましたが、剣だと振り回されているように見える。拘りがないならトンファーを使ってみませんか?」


 「拘りはねー。貸して貰えるか?」


 「どうぞ。トンファーは攻防一対なので、相手が攻撃をしてきたら受け止めて、そのまま相手側に滑らせながら斬りつけるか、突き刺す形が取れます。」


 一通りの動きを教えると、剣より扱いやすいとの事で片手剣と交換をした。


 「三人は、四人ともですね。根本的に基礎体力がなさすぎです。最低でも一時間は動けるようにと、体筋を鍛えてください。残り30分四人で僕にかかってきて下さい。」


 訓練時間が終わり四人は倒れ込んでしまった。仕方なく、四人の体力の回復を待つ間、一緒に過ごし話をしたが、凄いとかいろいろ誉められたのだが、正直神様からチートを貰ったが、日本にいるときも、毎朝五キロ、練習後も五キロ走っていたら回りから凄いなどと言われていた。当時は全国制覇を目指していたのだから当たり前だと自分では思っている。生きるのに呼吸を意識的にしている人は少ないはずだ。俺にとって目的を持って行動するなら呼吸をするのと同じように当たり前にならないといけないと思う。

 四人の体力を回復したところで訓練場を後にしてギルドへ向かった。


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