第101話 食事会。
結婚式も終わり、夫人達からの説明と言う名の拷問を受けて、新郎新婦のお色直しも終わり、食事会に参加をしている。
「本日はおめでとう。これは気持ちじゃ。」
「本日はめでたい席にお呼びありがとうございます。少なくて悪いが、我が領で取れるエメラルドじゃ」
食事会は位の高い順にお金や宝石類などを渡して行っている。招待客(貴族ではない)は用意する必要はないが、大抵は用意している。大商会はお金が多いが、中には商品を渡す商会もある。今回バーバラは鐙や鉄槌を千個づつ用意したようだ。
「お初にお目にかかります。小さなお店をしてます。クーヤンと申します。こちらをお受け取りください。」
マジックポーチを渡した事で失笑が起きているが気にせず話を続ける。
「マジックポーチの中には私の生まれた場所に生息しているドラゴンフィッシュの鱗と歯で作りました。短剣とカンザシが入っております。それでは失礼します。」
さすがに武器をこの場に持参すりわけにいかないため、マジックポーチに入れて持ってきたのだ。全員の贈り物が終えると、音楽が流れ始めて踊りが始まる。
「あなたも呼ばれていたのね、相手がいないようですから私が相手したあげるわ。」
声をかけてきたのはマナリ・ザックだ。
「私のような平民、貴族様と踊るなんて身分不相応です。」
「ふんっ。あなたに拒否権はないわ。黙って従えばいいのよ。」
無理に連れられ踊らされる俺に、平民が貴族と踊ってるのをよく思わない視線が痛い。そんな中、ガドラス辺境伯爵様が俺の提供したお酒を振る舞ってくれた事で空気が和らいだ。
あっ!ガドラス様すいません。俺が隠すようにお願いしたためにガドラス様が質問攻めを受けている。目が合ったがスッとそらすと、本日の主役であるジュライ・ガドラスと目があい、手招きされた。
「クーヤンと言ったね。」
「はい。ジュライ様。」
「先程渡されたカンザシとは何かね?」
「髪止めの一つですが、バックに飾りとしてつけるのも良いと思います。因みに鞘には対毒軽減の付与が付いてますので毒殺対応にもなります。カンザシ本体は魔力を流せば猛毒を纏いますので、誘拐された時の切り札になります。」
「なっ!それは本当かね。」
「試してはないですが、間違いはないはずです。短剣も鞘には自己修復が剣には火の付与がついてますので、後で試してはどうですか?」
「これは凄い贈り物だな。」
「これ以上長々といますと、僕が他の貴族に暗殺されそうなので失礼します。」
「ハッハッハ、うむ。ありがとう。」
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