第77話 オークション②

 「はじめまして、クーヤンて言います。僕に落札された場合は村から出ることが難しいですが、僕の村で鍛治をしませんか?」


 「ワシは構わんが、武器しか作らんぞ!」


 「私は飯がちゃんと食べさせて貰えるならお願いします。」


 二人とも問題ないみたいだな。一応再度確認をしてから、他の奴隷も鑑定をしながら見ていくと、名字持ちがおる。


シーナ・マクロス(9) レベル6

体力 74

魔力 38

知力 12

魅力 18

素早さ 35

スキル

剣術レベル1  

魔法

火魔法レベル1

生活魔法レベル1


 奴隷の主人に話をしてもいいか聞いてみる。


 「構わんが、下手に関わると面倒になるぞ。」


 話すのは問題ないみたいだから前まで行くと高圧的な目で睨んできた。あまりにも腹立たしいから話をかけずにその場を離れる。

 ある程度時間も潰せたからオークションの席に戻るとマルチ男爵がヒュドラの血肉を競っている最中だった。


 「10番420金貨、16番470金貨、12番480金貨、32番530金貨、16番580金貨、10番630金貨、33番680金貨、10番690金貨、19番700金貨、33番750金貨、16番800金貨、47番850金貨、16番860金貨、……他いませんか?それでは16番860金貨で落札です。」


 無事にマルチ男爵が落札していた。それにしても結構な値段がついている。ヒュドラは4分の1もないのにここまでの値段がつくなら1体まるまるなら4000金貨は越えそうだな。

 

 「おっクーヤン戻ったか!クーヤンが出したドラゴンフィッシュなんだが、1500金貨で落札されたぞ。」


 「えっ!そんなについたんですか?」


 「妥当だな。初めて聞く魔物ってだけでそれなりに価値があるからな。」


 あまりにも高額な値段がついたため暫くの間放心状態で気づいた時にはメインのドラゴンはおわっており、奴隷のオークションが始まっていた。


 「トップに飾るのはシーナ・マクロスです。」


 シーナ・マクロスが出てきた時、マルチ男爵が僅かな反応を見せた!


 「知り合いですか?」


 「直接は知らぬが、貴族社会では有名だ。」


 深く聞くことでもないので、暫く静観してお目当てのドワーフが出てきた所で、ドラドラを90金貨、ドラコを127金貨で落札した。

落札後は自分が出品した代金を受け取り、アブラゼミや奴隷の支払いをすませて宿へ向かった。

 アブラゼミは拠点に連れて行き、フェニックスとフェンリルに任せて、翌日寝坊しないためにも早めに眠りについた。




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