第67話 オーク村
鮮血とともにオーク村が出来ている移動途中にある小さな村へ向かっていると、村のところから数人が走ってこちら側にきている。
いち速く察知した鮮血の斥候を勤めるハッサンが先に駆け付ける。
ハッサンがついた頃には更に後から人が現れて、その後ろにはオークが5体おってきている。
「ピューネ、後ろの5体を頼む。」
ピューネはオークの足元に土魔法を使い、小さな窪みを作り躓かせて、立ち上がる頃にはオークの前にはピューネと鮮血のリーダームハルがいた。さすが鮮血で唯一のA ランク冒険者。ピューネが3体の首をはねている間に2体を倒した。
「どうやらオークの群れに村が襲われて逃げてきたようだ。」
「急げば逃げ遅れた村人が助けれる。」
ハッサンが村人から聞き出した情報では20体のオークに襲われて、女性は拐われて、男性は殺されたようだ。だけど、建物に隠れてやり過ごしている人もいるだろう。村から無事に逃げてきたのは、たまたま畑仕事をしていて外にいた七人だけだ。
「クーヤンそっちのパーティーは村を、我等はオークに拐われて行った女性達を助けに行く。」
「解りました。」
オークをマジックバックに入れて俺達は村人を連れて村へ向かう。
村には12体のオークがいたが、ピューネの敵ではなく、2体をライガとエンガに残して10体を瞬殺すると、村に戻るのに怯えていた村人が安堵の表情になり、ライガとエンガが戦っている間に生き残りの村人を探し歩いた。
建物が倒れて下敷きになったものやオークに殺されたのは意外に少なく、60人ぐらいの生き残りがいた。
「助けて頂きありがとうございます。私はこの村の村長をしてます。サンチョです。」
「サンチョさんこっちがリーダーですよ。」
「失礼しました。」
生きている村人を探していたクーヤンやピューネではなく、オークと戦っていたライガとエンガに挨拶をしていたので、最初に助けた村人が10体を瞬殺したピューネがリーダーだと教える。本当はクーヤンなんだが、そのまま訂正もせず話を進める。
「ライガとエンガはここにいて、オークの解体を頼む。ピューネ、オーク村に急いで行こう。」
「クーヤンも気付いか。」
「ジェネラルが3体、キングが1体いる。」
オーク村に向かう途中、スマホを取り出して調べる。どうやらオーク34体に囲まれてジェネラルとキング相手に鮮血は戦っているようだが、劣性だ。転移を使いフェンリルを呼んで助けに行って貰う。
ピューネと俺は逃げるオークを倒すためゆっくりと進む。3分もかからずフェンリルは戻ってきた。
「クーヤン終わったぞ。」
「フェンリルありがとう。」
「かまわん。だが次はもう少し骨のあるやつを頼む。」
転移で拠点に戻して、オーク村へピューネと向かった。
どうやら負傷をおったランにガラドが治療をしているようだが、片腕を失ってしまったようだ。ハッサンはオークの魔石を集めているようで、リーダームハルは村人の女性を集めて話をしている。
「ムハルさん手伝いに来ました。」
「クーヤンか助かる。俺達のパーティーは男性だけだからピューネがいるのは助かる。」
別の村や冒険者も拐われているのがいて全員で22人もいた。そのうち5人は精神が病んで会話にならない。
「素材はどうしますか?」
「数が多すぎて持ちきれないから魔石と討伐部位とキングとジェネラルだけを持って行く予定だ。」
「解りました。オークの肉は貰っても良いですか?」
「構わんが。」
本来はフェンリルに助けられたからすべてクーヤンの物なんだが、鮮血は野生の大きな狼に助けられたと思っているため、遠慮なく素材を集める。
クーヤンは素材の売りやすいオークの肉が大量に入るため気にもしない。
オークの解体を行っているとエンガとライガが村人と一緒に手押し台車を持って現れた。事前にあっちが終わったら来るように伝えていたのだ。
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