第58話 タタイ

 ゴウカイが馬車の中に入り、暫くすると一人の少年と一緒に降りてきた。


 「この度は助けて頂きありがとうございます。私はラオズ国の第三王子シーナ・ラオズと言います。道中よろしくお願いします。」


 慌てて方膝をつけて、頭を下げる。


 「クーヤンと言います。よろしくお願いします。」


 挨拶をすませると第三王子は馬車の中に入って行き、その後すぐに出発をした。

 道中、年齢を聞かれ答えると、その強さに疑問を持たれたため、質問攻めに合い、何とか落ち着いて貰い納得して貰った。 

 10日ほどかけてタタイ国に入り、一番近いパンコク街で別れて、俺は奴隷商へ行く。

 

 「おい、小僧ここはお前がくるような場所じゃねーぞ。」


 奴隷商の警備をしている人に注意を受けた。


 「お金はあります。見せて貰えないでしょうか?」


 5金貨見せて、お金があることをアピールする。


 「こごがどういう場所か知った上で来たんだな。それは悪かった。中に入りな。」


 「いらっしゃいませ。本日はどのような奴隷をお探しでしょうか?」

 

 中へ入ると、四十歳を越える男性が声をかけてきた。


 「多少強くて、この国の地理に詳しい人を探してます。」


 「それでしたら、元冒険者とかがおすすめですが、予算はいかほどですか?」


 「8金貨以内でお願いします。」


 「畏まりました。少々お待ちください。」


 暫くすると5人が連れられてきた。


 「お待たせしました。左から6金貨、6金貨、8金貨、8金貨、9金貨となります。」


 「左の二人は似てますが、兄弟ですか?」


 「はい。」


 「二人買うので、10金貨になりませんか?」


 「10金貨良いでしょう。」


 「ありがとうございます。」


 「名前はどうしますか?」


 「元の名前で、」


 「ライガとエンガで登録します。」


 お金を支払い、奴隷登録を終えてお店を出る。護衛依頼で得た10金貨を使いきってしまったため、文無し状態になった。


 「クーヤン様、ありがとうございます。」


 「様はいらないよ。二人は元冒険者なんだよね?」


 「はい。」


 「なぜ奴隷に?」


 「護衛依頼で、商人の荷物を割ってしまって、その割ったものが高かくて支払えなく!」


 「え!それだけで!」


 「護衛依頼では良くある話だよ。だけど、初の護衛依頼でこうなるのは運が悪かった。」


 そういやー、前に冒険者から聞いたな。


 「一旦冒険者ギルドに行って、薬草などを売りに行こう。」


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る