第50話 ヒュドラvsフェンリル

 ヒュドラとここで戦うのは不味いと思ったクウヤは、拠点の位置にヒュドラと移動する。


 「ほう、珍しい獲物じゃ。」


 「フェンリル。」


 「クウヤこの獲物、わしに譲ってくれ。」

 

 拠点に行くと目をギラギラして、嬉しそうに話しかけてきた。

 俺がコクリと頷くと、フェンリルは一瞬に間合いに入り、ヒュドラを切り裂いたが、みるみる傷が癒えてゆく、


 「ほう、回復持ちか、それならば、」


 ヒュドラを体当たりで吹き飛ばし、開拓中の場所から離れた。

シャァァ〰。ヒュドラが威嚇をしてくるが、フェンリルは気にもせず、間合いに入り切り裂いては、ヒュドラが治癒しての繰り返す事数十回、キズの治りが遅くなった所を氷で凍らせて、心臓の所を噛み殺した。


 「久しぶりに良い運動したのじゃ。クウヤ感謝じゃ。」


 「終わったの?」


 「そうじゃ。」


 満足したのか、そのまま寝床に向かった。クウヤは頭部が27個もある事に気づき引き気味であるが、素材が多いことに嬉しさを隠しきれない。

 氷魔法を使って保存もいいけど、やはりここは、〇〇〇ポケットじゃなくファンタジー定番の大量に入る時間停止マジックバックだな。

 腰に付いている野菜の種が入っている袋を取り出し、試しに作ると簡単に出来てしまった。細かい事は気にせず、どんどん素材を収納して、眠りに付いた。 

 朝目覚めるとフェンリルと一緒に畑の世話をし、スマホを使ってリーリンの位置情報を確認すると、どうやら商業都市に向かっているようだ。

 俺は、昨日ヒュドラに襲われた場所に移転して、気になる気配が合った場所に移動すると、


 「お主がヒュドラを倒したのか?」


 目の前には上半身が女の人、下半身が蛇?ドラゴン?がいた。


 「いえ、僕の転移魔法で、拠点としてる場所に移動して、フェンリルが倒しました。」


 「フム、確かにお主からフェンリルの匂いがするな。」


 「えっと、あなたは何者なんですか?」


 「この森周辺の主デルピューネだ。お主はフェンリルとはどのような関係だ。」


 質問を間違えた。フェンリルを知っているようだったからそこを知りたかったんだが、逆に聞かれてしまった。


 「たまたまフェンリルの近くに拠点となる場所を作ったら、仲良くなりまして、」


 「あの孤高のフェンリルに好かれるとは、なかなか見所があるようじゃな。面白そうだしお主について行こうかの。」


 「え?」


 「ん?なんじゃ。迷惑か?」


 「いえ。予想外だったので。だけどその姿だと、」


 「安心せい。」


 そう言うと、下半身が普通の足となり、人と見分けがつかなくなった。

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