こんなところで元カノと再会するとは

ほのかは少し照れながら「あくしゅ!」と言った。


アイドルに熱を上げる女子中学生と変わらない。


ユーキのうちは立派な実家で、敷地も広い。


ユーキの部屋は二階だが、とりあえず広いリビングに通された。

シャンデリアが輝く。掃除は家政婦がやっているのだろうか。


ここには中学生の時に来た事があってヤンキーになりつつある息子を心配するお母さんが小言を言っていた記憶がある。


今日は誰もいないようだった。


「ユーキ、彼女は?」


さりげなく聞いてみる。


「恭介、聞いてくれ」


涙目で訴えるユーキ。


「どうした?」


「テレビ局の方針で男女交際禁止なんだと。SNSや飲み会など人目に触れることがすべて禁止でさ。立ち食いとか信号無視もダメなんだよな。イメージが崩壊する行為は禁止なのさ」


信号無視は誰でもだめだろうけど……。


「プライベートも常に良き大人でなければいけないのさ」


青ざめている。絶対体操のお兄さんになったこと後悔しているだろ? 

そうだろ?


「ほのかは、おにいさんだいすきだよ」


「ありがとう」マジ泣きのユーキ。


こいつは女にもてるけれど付き合ってはいけない掟がある。

俺も好きになってもカレンと付き合ってはいけない……。


ちょっとだけ同情する。似た者同士だからな。


「ほのかちゃん大人になったらおにーさんとお付き合いしてくれるかな?」


「いいよ」ほのかは笑顔でうなずく。


「おい、幼児に何約束させているんだ? お前が37歳のときに、ほのかは20歳だぞ」


「歳の差の愛もいいじゃないか?」


「親戚として黙認することはできない」


そんなおバカなやりとりも同級生だった事実だからできるのだ。


「ユーキどうしたの?」


この声は聞いたことあるじゃないか?

俺の高校時代の同級生ののどかだ。


ユーキの家で鉢合わせするとは、なんたること!!

こいつは昔優等生だったにもかかわらず今は常に発情期の雌犬。

もしやこいつの毒牙にかかったのか? ユーキ。

スキャンダルはご法度だぞ。


「恭介くん……」


「のどか……」


ユーキは高校は違うが、のどかとは少しだけ中学は同じだった。

たしか中学卒業間近にのどかが引っ越してきた記憶がある。

地元つながりは怖いものだと俺は肌で感じた。




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