先生からのプロポーズ

翌日、昼間はリクトとやっぱり二人きりで――


自分の部屋で宿題をしていると、リクトが背後からぎゅっとハグしてきた。突然のことで動揺した。


「大好きだよ、カレンちゃん」


そのまま彼の力で押し倒された。


「遊び人なんでしょ? 元カノの話は嘘って聞いたんだから」


「元カノじゃないけど、昔から俺が好きになる女の人は恭介を好きになるんだよね……カレンちゃんもそうでしょ? 恭介が本命で、俺なんて代わりでしかない」


本心を突かれてドキッとした。


カレンが床に寝ている状態で、リクトが床ドン状態だった。

部屋に誰もいない。これは、まずい……。


「大丈夫、優しくするから」


リクトはキスをしてカレンの体に触れた。

リクトは女性の扱いに慣れているのか動揺した様子もない。 


「はい、そこまで」


突然、先生の声が聞こえた。


「リクトの考えていることくらいお見通しなんだよ。今日は早めに帰宅したんだ。今は夏休みで仕事、あんまりないしな」


「……恭介」驚き顔のリクト。


「俺はカレンが好きだから……同意のうえで……」

リクトが釈明する。


「同意だと? こいつは俺に惚れているんだ。お前ごときで満足するはずがないだろ?」恭介のドSモードが入る。鬼だ。


「そうだよな? カレン……俺のことが大好きなんだよな?」

目が笑っていないが口元だけ笑いながらカレンに問いただす先生。


「はい」


「俺の嫁になる予定の人なんだ。親戚になるんだから失礼なことをするなよ」

あいかわらず目が笑っていない。


って――それって結婚するってこと? 嫁って言ったよね?

プロポーズっていうこと―――?


「今日からしばらく夏休みとったから、恋人ごっこはおしまいだ」


ガン飛ばしている先生は正直怖い。


「わかったよ。カレンちゃんとはいい友達でいたいから、悪かった。ごめん」


「よし、いい子だ。ちゃんと謝って仲直りだな」


「恭介、カレンちゃんと結婚するつもりなのか?」


「そうだけど……問題あるか?」先生は カレンを見る。


「ないです」カレンは何ともあっさり結婚の承諾をしたのだった。




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