先生との約束

「あいつと何かあったのか?」


先程の一言が気になったらしく、久しぶりに私に話しかけてきた。


「何もないけど……海に行っただけだよ」


「そこであいつも変態ワールドの住人にしたとか?」


テレビを観ていた先生だったが、もう番組内容は眼中にないようだった。


「ごめんなさい」


とても悪いことをしてしまったような気がして謝ってみた。


「リクトは女慣れした遊び人だぞ。あいつの口からは適当な嘘が飛び出すから注意しておくんだな。好きという言葉を100人には言ってるタイプだぞ」


「リクト君の元彼女が先生を好きになって別れたって本当?」


「あいつの彼女に会ったことはないがな」


「そうなの?」


先生は正直者だ。嘘はつかない。

ということは、嘘をついているのはリクト?


「おまえは男慣れしていないし、すぐ騙されるから……心配だ」


どこまでが本当でどこまでが嘘なんだろう?

リクトはわからない……。


「卒業したらちゃんと俺と付き合え。欲求不満をリクトにぶつけるなよ」


「はい」笑顔で答えるカレン。


先生と……。いよいよあんなことやらこんなことやら……期待は膨らんだ。


「よだれ、流すなよ」


相変わらずの、毒舌つっこみが先生との距離を縮めた。


でも……リクトは百戦練磨だ。

軽くてチャラい本能のままに生きているような男だ。





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