元カノに襲われる

急に彼女が抱き着いてきた。

これって、俺を求めているってことか?

ここで童貞を捨てることができるのか。

でも、あいつのために貞操を保たねば……。


「でも、俺―――」


何? おくゆかしいのどかが、俺の上に乗っかっただと?

そのまま慣れた手つきで俺の股間に触ってきただと?


まて、俺、冷静になるんだ。

なんでおしとやかなのどかが、こんな慣れた手つきで触ったりしているんだ?

これ――素人じゃないだろ?

そうとうの経験を積んだか? プロの仕事人だとしか思えない。

上手だ……上手すぎるだろ。


「待て、これはまずいだろ……」


「なんで? 私たちはもう大人よ。あの時の続きをしたいの。私の中では終わってないから」


見た目より大きくて柔らかな胸が押し付けられる。

俺、引き返さないと――


「ごめん、俺帰るわ」


断ったことにちょっと驚いた様子ののどかだったが、どうにもならない俺は、とりあえず中断して朝食を食べずに帰宅することに。


思った以上に経験を積んだらしい元カノの豹変に驚いてしまった。


変わらないのは自分のほうだけなのかもしれない。



××××××××

自宅にて


そーっと そーっと帰宅する。


カレンに気づかれないように……。


「あれ~ 先生、朝帰りですか?」


カレンが眉間にしわを寄せて激怒している。


「海道と飲み明かして、朝になっちまって……」


「元カノと……? じゃないの?」


完全に怒っている。カレンが珍しく激怒モードだ。


「カレンが一番だから」


「何それ? 怪しい!! 普段そんなこと言わないくせに」


これじゃ浮気をすると妻に優しくする夫状態じゃないか。

でも、俺は断ったんだ。

多少、記憶がない時に元カノに触ったかもしれないが……。

でも、決定的な浮気はないぞ。

心の中で弁解した。

いや待て見た目とは裏腹にのどかの初々しさのなくなった行動から察するに……

俺は、多分、寝てしまっただけで、胸を触ったりしてないのではないか?

あいつが勝手に言っているだけだ。きっとそうだ。俺は潔白だ。


カレンが怖い……。








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