元カノ×俺 連絡先交換

「今、恭介君は何してるの?」


「高校教師」


「え~意外! 学校嫌いなタイプだったよね」


「まぁ、どちらかというと」


「のどかは?」


「私は幼稚園の先生」


「なんか似合うな。のどかは子供好きだから、いいお嫁さんになりそうだもんな」


「でも出会いないけどね。女性ばかりの職場だし。子供相手だから」


「恭介君はドラマみたいに、生徒と恋愛なんてないの?」


「え……? まぁ、一応教師だから、それはまずいよな」


「そうだよね」


そうだよ……俺、どんだけまずいのだろう。

のどかはカレンとは正反対で、落ち着いた優しい女だ。

地に足がついている、いい妻になりそうな女だ。


カレンと言えば……変態だし、突拍子がなく落ち着きはない。

結婚するなら、きっとのどかみたいな女性のほうが普通の幸せが手に入りそうだよな。


「なんで、俺なんかと付き合ったんだ?」


「恭介君、かっこよかったから」


かっこよかった? そうなのか?


「当時、いじめられていたんだけど、その時相手を威嚇して注意してくれたことあったでしょ」


「あったかな?」 忘れてるな――。


「そういう恩着せがましくないところがいいなって思ったけど、進学で恭介君、県外に行ってしまったから」


「遠距離になって自然と消滅したというか、俺、おまえに嫌われたと思って連絡しなかったんだよな」


「私のほうこそ、嫌われたと思って連絡できないでいて」


そうだったのか? 俺は嫌われていなかったのか?

新たな新事実だ。

もっと良い人が現れたとか、ヤンキー的な男は嫌いとかそういう理由だと勝手に思っていた。

いわゆるすれ違いってやつか?


元カノ、のどかが上目遣いで見つめてきた。

ちょっとかわいいじゃないか。

この角度女子が一番かわいいといわれる角度じゃないか。

平凡な幸せがここにあるような――。

最近、俺はカレンのペースに付き合うのに疲れていたのかもしれない。

彼女のおっとりした癒しが俺の心をつかんだ。


「連絡先きいていい?」


「あぁ、もちろん」


連絡先くらい交換してもいいよな?









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