花火大会はみんなでGO

夏休みのはじめ、花火大会に行くことになった。

せっかくの夏休みは楽しみたい。

はじめは「見つかったらまずい!」と 

絶対行かないオーラ全開だった先生。

なんとか説得して、OKしてもらった。


条件は……

変装して行く。

(夜だし、みんな花火を見ているからばれないという理由をつけた)


万が一のため少し距離を置いて歩く(手をつながない)


という条件の元、なんとか花火大会デートができることに!!


先生は、仕事のクビ問題があるのでかなり慎重だ。


一般的な恋人たちの見えない壁がないことが、うらやましい。

成人しているという大人であるという事実が、うらやましい。



生徒と先生じゃなければ……もっと堂々と歩けたのに。

一緒に歩くことも禁止……苦しい……。



もっと一緒にいたいけれど、近いのに遠い―――。

先生との距離は、せつない―――。


「先生、花火大会にみんなで行こうよ」

提案したのはオトキョンこと超勘違い女。

オトキョンの友達数人と先生と花火大会に行こうということらしい。


「え……」

先生は私のほうをちらり、見た。


「じゃあ、俺の友達のイケ4(イケメン4人組)を誘うからそいつらも一緒ならいいかもな。そこにいる野咲カレンも参加な」


「イケ4ってあの? 男子校のイケメングループ?」

女子たちがざわつく。



なにぃいいいいいいい


せっかく先生と花火デートにこぎつけたのに……。

なんでオトキョンとその友達と、イケ4まで……

総勢10人くらいになるんじゃ?


「いい? 京香と先生を二人だけにするように協力するのよ」(小声)


オトキョン、友達に小声で強制的に命令しているし。

先生のこと好きなんだ……。


「うちのお兄ちゃんも誘ってみるわ。野咲さんとお兄ちゃんいい感じなんでしょ?趣味も合うみたいだし」


大きな太い声で、オトキョンが提案する・


「えぇ? いい感じなの?野咲さん、オトキョンのおにいさんと?」


まわりの女子たちが 騒ぎ始める。


なんでそうなるの? 趣味? もしや、アイドル戦隊のアニメ??


「おまえオトタクと良い感じなのか? 趣味が合うのか……(笑)」


半笑いの先生。笑いをこらえている様子。


先生は私の気持ちを知っているから、余裕だけど――

少しくらい、やきもちくらいやいてほしい。

アニメオタクの オトタク、じゃ嫉妬しないかな?




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