体育教師はストーカー?

「もしもし、探偵事務所ですか? 実は、調べてほしいことがありまして」


最近、変態への目覚めを感じる体育教師のリョウタ。


見た目は、爽やか優しいイケメンなのに、もったいない……。


カレンが、この真面目な一人の男の人生を、狂わせてしまったのだ。


「野咲カレンさんの好きな人を調べてほしいのです」


探偵は仕事ならどんな依頼も受ける。

もちろん、極秘で口外はしない。

女子高校生の個人的情報を知るなんて、教師としてはあるまじき行為。

しかしながら、僕は誰にも口外しない。

まずは生徒名簿でどこに住んでいるかチェックだ。


わりと近くの町じゃないか。

ちょっと見に行ってみようかな……。

もちろんさりげなく――通行するだけだ。


これは、立派なご自宅じゃないか。

お金持ちのお嬢様なんだな。

表札が「林堂」???


なんで「野咲」じゃないんだ??

おかしい……。

林堂といえば、珍しい名字だし……むかえの席の先生も林堂だな。

でも、偶然だろうけどな。


「あれ? リョウタ先生、こんなところで何してるんですか?」

「林堂先生のご自宅ですか?」


「まぁ、そうっすけど」


「あら、いつも恭介がお世話になっております。恭介の母です」

珍しく 恭介母登場。


「お母さんですか? 同僚の佐藤リョウタです」


「せっかくだから、おうちに入っていただいたら?」


「リョウタ先生も、色々お忙しいでしょうし」


「暇です。是非お邪魔させていただきます」


なんだよ? 急に積極的だな、おい?


もしかしてカレンちゃんの情報がつかめるかもしれない……。


「かあさん、まずくないのか?」(小声)

「大丈夫、任せなさい」


カレンのこと 同僚にばれたらまずいだろ……。

「ただいまー」

「おかえりー」

美少女が出迎える。


「あ、れ……リョウタ先生?」


「そこで偶然お会いしたから、わたしが招いたのよ」


カレンに耳打ちする母

「変に隠すとよくないわ。遠い親戚で一時的に住んでいると言っておきましょう」


「実はね、カレンちゃんは私たちの遠い親戚で、親御さんが海外赴任中だけ、うちで預かっているのよ。ちゃんと校長先生にも話してあるんだけどね。うち、敷地も家も広いから、カレンちゃんの住所はお隣になっているのよ」


「なんだ、そうだったんですね」


少し安心したと同時に、カレンちゃんの好きな人って林堂先生ではないかという疑惑がリョウタの心に芽生えた。

急に友達だと思っていた人をライバル視してしまう、ガキのごとく。

同居しているという事実に嫉妬していた。

それだけ、カレンちゃんを好きになっていたのだろう。


あの話が本当なら……この男のジャージに、いやらしい行為をしていたんだろ? 許せるか? 許せないよな??



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