美女と俺の夜

俺の憧れの美女は、疲れているらしい。

大学生のときのきゃぴきゃぴ感がなくなっていた。

少し、思い出の女性とは違っているようにも思える。



そう、思い出は美化されるのだ。

知らず知らずの間、過去の栄光に勝てないことってあるだろ?


俺は彼女がノーマルすぎてつまらなくも感じていた。

普通過ぎるのだ。言動も行動も……。

カレンがあまりにも変態すぎて、慣れてきたのだろうか?

変態女じゃないとだめって、俺も変態か??


美女はお酒が弱いらしい。

少し飲むと、頬が赤くなり瞳が潤んだ。

下から俺を見上げる表情はグラビアのアイドルのようだ。


そのまま彼女は眠ってしまった。

疲れているらしい。

しばらく寝かせておこう。

働く女は疲れとの戦いだ。


彼女の寝顔を見ていると……俺のラインが鳴った。


カレンだ。


「夕ごはんどうするの? 食べてくるの?」


母親みたいな内容だった。


でも、ぐっと現実に引き戻された。


美女との時間は俺にいい夢を観させてくれる素敵な時間だった。


明日も仕事だ。


「起きろ、美鈴」美女を起こした。


美女は起きると酔いが覚めていたようで……


「明日仕事早いから、帰らなきゃ」といって、あっさり帰宅の準備をした。


「また今度デートしようね」


片目をウィンクして、片手を上げて去っていった。


クールな美人は、いつも俺の憧れでいるくらいで丁度いいような気がした。


また今度ってことは――期待していいって……ことだよな?





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