美少女を看病する俺

 数日後、俺の風邪がカレンにうつったらしい。

 俺は全快したが、カレンは熱が出た。

 カレンは学校を休むことになり、俺は学校へ仕事へ行った。


 俺は心配になり、定時そうそう帰宅した。

 かなり急いで帰宅したのだ。


 部屋にいくとカレンはぐったり弱っていた。


「大丈夫か? 今度は俺がお粥作るから」


「ありがとう。独りぼっちだと……心細いよね」


「野咲でも心細いのか。普段は強気なのにな」


 俺は少しいじわるな口調でからかう。


 このときばかりは弱気な美少女。

 一応、本人の前では名字呼びだ。


「手を握って……」

 弱気な様子ですがるような目でみつめられると、断りずらい。


 一度、手をつないで眠ったことはあったが……

 付き合っているわけでもないし……

 でも、今日は体調が悪いのだから――人助けだ、うん、そうだ。


 俺は自分に自分で言い聞かせる。

 要は、言い訳がほしいだけだったのかもしれない。

 イチ教師が担任の生徒の手を握ること自体、問題になる。


 彼女の透き通るような色白の手を握ってみた。

 彼女の指は長く細い。きれいな指をしていることに、あらためて気づく。


 美人は手も美人なのだろうか?

 俺の中の疑問が新しく増えた。


 たった数分だったのかもしれないが、俺にとっては何時間というような長さに感じた。それだけお互いがつながることは、そうそうあるものではなく貴重な時間だった。


「友達にお見舞い、来たいと言われたんだけど明日いいかな? もちろん先生のいない時間にするし、同居していることは秘密にするから」


 突然の生徒訪問話に、俺は戸惑った。







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